オリオン座

厚手のコートを着込んで
帰り道君と歩いてたら
幼い頃に見た場面が
なぜかふいに蘇ってきたんだ

祖母の手に引かれ歩いた冬の夜
指差して教えてくれた
あの星座の名前

真冬の空に輝く
少し斜めの三ツ星
どんな夜もそばにいたオリオン
きっと遥か昔から
そんな風にして誰かを
そっと照らして来たんだね

いくつも冬が通り過ぎて
繋いだ手のひらは大きくなり
夜空を見上げなくなった僕を
あの星はずっと見ていたんだろう

ひとりぼっちだった遠い日の少年が
今は君とふたりでこうして
歩いてる

星を輝かせるために
夜は闇に包まれる
でも必ず朝を連れて来る
君に出逢ってから僕は
見えるものすべてが変わった
もうどんな事も怖くないよ

真冬の空に輝く
少し斜めの三ツ星
どんな夜もそばにいたオリオン
僕らもやがて星になって
この広い宇宙の何処かで
次の未来を照らすはずさ

家路を急ぐ人混みの中
大人げなく君の手を握った
少し酔ってるせいかもしれない
だけど、今幸せだって思ったんだ

君と歩く冬の帰り道
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