根室の辰

北の漁場に 着いたら起こせ
獲ってやるとも 好きなだけ
海の河童だ 根室の辰は
時化た位が 丁度いい
ラッパ呑みした 一升瓶を
枕がわりに 高いびき

呑み家「ひさご」の 女将が呉れた
赤い手縫いの 守り札
よしなよしなよ 根室の辰は
船が女房の へそ曲り
惚れた張れたの 生きるの死ぬの
それが嫌さに 恋ぎらい

割った流氷 石鹸がわり
産湯使った オホーツク
喧嘩 もめ事 根室の辰は
飯を抜いても 飛んで行く
腕っ節なら 誰にも負けぬ
丸く治めて おごり酒
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