愛の小窓

花の都に 身を拗(す)ねて
若き生命(いのち)を 散らすやら
夜の巷を 流れゆく
君がパイプの あゝうす煙

街のホールで 見る月は
弱い娘の 泣く涙
夢の光りも さびし気に
なぜか今宵も あゝ更けてゆく

つゆの月草 やる瀬なく
夜毎やつるる この胸に
待てどくらせど かの人は
今日もかえらぬ あゝ雨の音

乙女ごころの くれないに
燃えてはかなき 小夜嵐
愛の小窓を ひらきつつ
熱い涙で あゝ君を待つ
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