線香花火

明かりが灯り出した 夕暮れ時 ヒグラシの声
深い青に染まった 夏空はただ静かに
にぎやかし僕たちを 見つめるように 見守るように
君のようにそこにいてくれた

はしゃいで笑う 君がホラ 僕の手を引き走り出す
息を切らした君の 振り返るその笑顔 この胸をさらってく

線香花火が咲いてはじけて
煙のにおいが染みる夜
来年のこの日 僕と君はここにいるのかな?
風が吹いて 花びら散ってく

「今年の夏もホント早かったね」残念そうに
余った手持ち花火 見つめながら言う君が
愛しすぎて切ない この気持ちを知る訳もなく
夏色の日々は過ぎて行く

忘れられない思い出は 僕の部屋へと残されて
しぼんだ水風船 独りぼっちの金魚
浴衣の君の写真

線香花火がはじけて落ちて
願い事かけるヒマさえなくて
それでもまた来年 君とここで逢えるかな?
その笑顔を もう一度見れるかな?

うなだれたヒマワリの花 君が隣に居ない時の
僕にウリふたつで…

子供のようにはしゃいだあの日の
子供のように無垢な横顔の
君の瞳の中に咲いた線香花火が
綺麗すぎて焼き付いた

線香花火が咲いてはじけて
煙のにおいが染みる夜
来年のこの日 僕と君はここにいるのかな?
風が吹いて 花びら散ってく
胸に咲いた君の線香花火
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