新宿の片隅からSION | SION | SION | SION | | 新宿の片隅からののしりあう街を見てた 失くした物の悲しみのそばに安っぽいメンツころがして 強がりのむこうには折れた煙草がころがってた 捨てるほどあるはずのかわりはどこにも見えやしねぇ いつか見た夢の続きじゃ やばい夜がくるはず ずっと前にも確かこんなこんな別れをしたような気がする 新宿の片隅からののしりあう街を見てた つまったパイプの中のクソみてぇな俺がいた 車は確かに通りすぎふり返ったのは俺だけ ずっと前にも確かこんなこんな別れをしたような気がする 俺の腕1本くれてやる お前が欲しい ここに来い ここに来い 俺のそばにこい 俺の腕1本くれてやる お前が欲しい ここに来い ここに来い 連れてってやる 新宿の片隅からののしりあう街を見てた 失くした物の悲しみのそばに安っぽいメンツころがして 車は確かに通りすぎふり返ったのは俺だけ ずっと前にも確かこんなこんな別れをしたような気がする ののしりあう街を見てた 新宿の片隅から 新宿の片隅から… |
俺の声SION | SION | SION・OKAMOTO | SION | | 色褪せても笑うヒーロー達の写真は 栄光と挫折を一度に晒してしまう いらつかせる夜が 今日も眠らせちゃくれない 闇の中を俺は 睨みつけるしかない 俺は王様だと思ってた 俺の声で誰でも踊ると思ってた だがしかし 俺の叫ぶ声は ピンボールさ はねてるだけ いつの間にか秋が またそこに立ってた 走り続けてきたが また一周しただけ そうさいつの間にか夢が 瓦礫の中で錆てた 俺のツバを吐いて 昨日を蹴とばすしかない 俺は王様だと思ってた 俺の声で誰でも踊ると思ってた だがしかし 俺の叫ぶ声は ピンボールさ はねてるだけ 俺は王様だと思ってた 俺の声で誰でも踊ると思ってた だがしかし 俺の叫ぶ声は ピンボールさ はねてるだけ |
SORRY BABYSION | SION | SION・OKAMOTO | SION | | SORRY BABY 誰かさんみたいに 俺に明日見えないから SORRY BABY 約束なんてとてもできたもんじゃないだ こんな俺をうらむかね 車道には誰かが棄てた ララバイ溢れてる 誰だって好きこのんで 傷つけたりはしないさ 痛みと喜びを感じない胸で どうしておまえを抱けばいい 軽いことばにあいそつきても それにかわる顔がない まぎらわしい優しさに ことばを失くしてしまった 俺の夢とひきかえにでも おまえが欲しかったのに 終ったあとでよくあるように 眠ったあとでよくあるように よくある顔で ねえよくある顔で 笑っておくれ SORRY BABY 誰かさんみたいに 俺には明日見えないから SORRY BABY 約束なんてとてもできたもんじゃないんだ こんな俺をうらむかね SORRY BABY 誰かさんみたいに 俺には明日見えないから SORRY BABY 約束なんてとてもできたもんじゃないんだ こんな俺をうらむかね |
風来坊SION | SION | SION | SION | | かたむいた窓にあごをのせて 通りすぎる夜に眼をこらす クラクション パトカーのサイレン 点滅するシグナル 街灯のあかりただぼんやりと 誰の心ともすわけじゃない ざらついた夜 ぐらついた街 点滅するシグナル あとここで俺は たかが何10年か生きて ああうれしいだの つらいだのくりかえすのかい 死人のような行列は イカした首飾り 今日1日生きのびた人と 俺の為に乾杯 秋の風に追われるように 国道191をあとに 通りすぎる女の顔が みんなお前にみえた 色あせた忘れ物を 捜すつもりはないけど この街にきて何度目かの秋に お前を思い出してもかまわないだろう あとここで俺は たかが何10年か生きて ああうれしいだの つらいだのくりかえすのかい きっと今頃2人して 10年後の話でもしてるさ うまくやってるお前と誰かと 俺の為に乾杯 いつかの願いは祈りに そして夢に終る そしてまだ終れない 体を横たえる あとここで俺は たかが何10年か生きて ああうれしいだの つらいだのくりかえすのかい きれかかった感情は いつか思いやりに変わるのさ なんとか立ってるあいつらと 俺の為に乾杯 |
12月SION | SION | SION | SION | | ふたりに疲れてはひとりに戻り まただれか恋しくてまた繰り返す 屋根の上の猫がそんな俺を見て めずらしいものでも見るよな顔して笑った 変わりゆく時間に心まどわされ 今日一番の宝は明日屑かも知んねぇ 恋人たちの手はきつく握られたまま 俺たちにもう何も見せるな さけぶようにつぶやいた 12月 街はクリスマス気分 あちこちから想い出したようにジョンの声 そして俺ときたらいつもこのごろになると なにかやり残したよなやわらかな後悔をする 捨ててしまえばそこからすべて 新しい暮らしが始まるわけじゃなく 屋根の上の猫が気にするまでもなく 顔がいれかわるだけのにが笑いがあった ひからびた時間に夢という水をまき なんとかほんとうの出口をさがし歩く そこから何が見えたら満足なのか 俺にはわからない わからなくなった 12月 街はクリスマス気分 あちこちから想い出したようにジョンの声 そして俺ときたらいつもこのごろになると なにかやり残したよなやわらかな後悔をする 12月… |
このままがSION | SION | SION | SION | | 待ちくたびれて 眠ったお前の やわらかな髪をなでる こわれないようそっと 静けさに かすかな吐息 ただゆれている このままが このままが なによりも このままが なにか夢でも 見てるんだろう 気持ちよさそうに ほほえんだまま 静けさに かすかな吐息 ただゆれている このままが このままが なによりも このままが 優しさは言葉じゃなくて その気持ちから このままが このままが なによりも このままが このままが このままが なによりも このままが |
サイレンSION | SION | SION | SION | THE NOIS | サイレンが鳴り響く 堤防を川を畦道を もう帰る時間だと サイレンがなり響く 死んだ俺の爺さんは シベリヤで何人も殺して 勲章貰って帰ってきた 勲章をぶらさげて サイレンが鳴り響く 傷つける意味を知る前に 殺す事を覚えたのは サイレンが鳴り響く 死んだ俺の爺さんは 時々狂った様に暴れた しわくちゃな拳を振り上げて しわくちゃな拳を震わせて 何を見てたんだい 毎日庭前に座って どんどん色が抜けていく サイレンが… サイレンが鳴り響く 堤防を川を畦道を もう帰る時間だと サイレンがなり響く 何を見てたんだい 毎日庭前に座って どんどん色が抜けていく サイレンが… |
カーテンSION | SION | SION | SION | EVAN LURIE・SION & THE NOIS・MARC RIBOT | 寂しさは静かな やすらぎだと 言われれば たしかに そんな気もするが できれば カンベンしてくれ やけに薄いカーテン なのに重いカーテン まばたきをするたびに その色形さえ変えて カメレオンにゃなれないし ましてライオンじゃないから 寂しさは静かな やすらぎだと 言われれば たしかに そんな気もするが できれば カンベンしてくれ まとわりつくそのカーテン あくことのないカーテン 思わせぶりにチラリと その影だけをうかべて カメレオンにゃなれないし ましてライオンじゃないから 寂しさは静かな やすらぎだと 言われれば たしかに そんな気もするが できれば カンベンしてくれ |
記憶の島SION | SION | SION | SION | SION & THE NOIS | 子供が声をあげて はしゃぐ 水しぶきの様に キラキラと 近づかなきゃ よかった 子供は百才で そして泣いていた ここからでも 空は見えるし 馴れれば 泳げないこともない アザラシは 一人言の様につぶやき ゴリラは ただ手をさし出ている 砂の城で暮す 紙のナイフを持って 消えてくれ 記憶の島 バス停にバスは 止まらなかった 女がイヤな顔をして 通り過ぎただけ ベンチには もう座りたくなかったし アリバイの為に 歩きたくもなかった 砂の城で暮す 紙のナイフを持って 消えてくれ 記憶の島 左肩に ハエが止まってる どんどん体が 離れていく おい 誰か居ないのか? けたたましく 何度目かのベルが鳴る 砂の城で暮す 紙のナイフを持って 消えてくれ 記憶の島 砂の城で暮す 紙のナイフを持って 消えてくれ 記憶の島はしゃぐ |
夜しか泳げないSION | SION | SION | SION | | 扇風機はカタカタと 煙った空気をかきまわして テレビは今じゃあまり見られない 砂の絵を描いてる頃 にわとりの代わりに ざわめきが朝を教えてくれ ここで暮らすほとんどの人に 気にかけてもらえない空に 太陽が入ってくる 夜しか泳げない魚は 影を連れて歩かない だけど 光だけが光じゃないことだけは 太陽より知っている アルコールとニコチンでもたれた血を シンデレラでとばし グラスの中にきれいさっぱり消えていく氷に 憧れたりする いったい何をはっきりさせようとしたんだ 手のひらは言い 秒針にはりついたって 俺とは踊れないよ 時計は言う 夜しか泳げない魚は 影を連れて歩かない だけど 光だけが光じゃないことだけは 太陽より知っている 消された街の真珠は 皺だらけの顔に戻り いろんなホタルたちが 羽をたたみ地面へ降ってきた 今夜の儲けとツケを 破けたポケットにつっ込んで あくびに肩を抱かれ、反対側のホームに立つ 夜しか泳げない魚は 影を連れて歩かない だけど 光だけが光じゃないことだけは 太陽より知っている |
12号室SION | SION | SION | SION | | 彼女は美しかった 真っ白な顔をしてた きれいな髪をしてた 声もやわらかだった 彼女の室はいつも 花の香りがした いい香りがした ものすごくあったかだった 彼女は人もうらやむほどの ほとんどをそこでは持ってた そこに入る訳は 8つの俺でも解っていた 今より良くなるために 必要だと解っていた そこは動物園だった みんな変な形をしてた 仲間ですよと紹介された こんがらがって涙が出てきた こんな変なやつらの 仲間でも友達でもないと 一週間話せなかった 誰でも話せなかった 全部嫌いになった ご飯も嫌いになった その日もベッドの中で じっと息を殺していると 誰かが蒲団の中に 手紙をつっ込んでいった よかったら12号室の 私の所に遊びにおいでと 彼女は微笑んでいた ベッドに体を起し ものすごいきれいだった 泣きたいくらいきれいだった ほんの少し話をした 本当はもっと話したかったけど 恥ずかしくてどうしようもなくて そこに来て初めて表にかけだした 表に出て彼女の前で 走ったことをすぐに悔やんだ 彼女と話したその日から ほんの少しづつだけど 誰かの問いに答えたり 誰かに話しかけれるようになった 何人かの友達もできて やっとそこの暮らしに やっとそこの暮らしに慣れてきた 3ヶ月目の朝突然言われた ここにいても君の場合はなんにもならない 君も家に帰りたいだろう みんなとは違うと言われ ここに入ってきて そしてやっとやっとここに慣れたのに ここも違うらしい 4時間電車に乗って 元いた教室に戻った なつかしいはずのクラスの顔、顔 みんなよその国の人に見えた 今日からまた仲間ですと 先生は俺を紹介した 彼女は美しかった 彼女は美しかった きれいな髪をしてた 声もやわらかだった 彼女の室はいつも 花の香りがした いい香りがした ものすごくあたたかだった 彼女は全てを持ってた 白く長いはずの二本足を除けば 彼女は美しかった 彼女は美しかった… |
夢を見るにはSION | SION | SION | SION | 松田文 | お前と別れるのは 照れくさいけど やっぱちょっと淋しい 俺とはまるで違う奴だったし 仕事以外に 話しもなかったけど おかしなもんだ 女といるより お前といた時間の方が長かった どこへいくつもりか わかんねぇけど お前の歩く空が晴れてたらいいな なんだかんだ言って ずいぶん世話になった そして 俺は何もしてやらんかった 俺の前で 俺の後ろで いつもお前は頭をさげてた 少しはあったか 俺のそばにいて よかったって事が まあ ねぇだろうな 何をやりたくなったか わかんねぇけど お前の歩く空が晴れてたらいいな 落ち着いたら 電話をくれねぇか それから 彼女にも会わせろ せいせいしてるさ その堅苦しい顔を 毎日見ないですむと思うと 飯もうめぇや おかしなもんだ 女といるより お前といた時間の方が長かった どこへいくつもりか わかんねぇけど お前の歩く空が晴れてたらいいな |
蛍SION | SION | SION | SION | 松田文 | 蛍を見るなら あの町が一番さ 小さな川には いくつも橋がかかってよ ひっそりと そしてあったかい その川の回りには いろんな店がポツポツと 飲み屋やら メシ屋やら それがまた うまくてよ ひっそりと そしてあったかい ―の坂川へ お前を連れて ―の坂川へ 連れて帰る 小さな町だし 何もない町だけど 2,3年いただけで どうってことない町だけど なぜかやたら やたらいいさ もう何年も何十年も そこを歩いてないけど 毎年その蛍は どんどんふえてく なぜかやたら やたらいいさ ひっそりと そしてあったかい ―の坂川へ お前を連れて ―の坂川へ 連れて帰る ―の坂川へ お前を連れて ―の坂川へ ―の坂川へ |
月が一番近づいた夜SION | SION | SION | SION | MARC RIBOT | 月が一番近づいた夜 何もしゃべれなかった男の子が 「きれいだね」ってママを驚かせ ずっと車椅子の女がなんでもなかった様に 立ち上がって下着を替えた 月が一番近づいた夜 何も聞いたことがなかった女の子が 「静かだね」ってパパを驚かせ 箸さえ持てなかった男がずっとそうしてきたみたいに 両手で彼女を抱き締めた 月が一番近づいた夜 出稼ぎに行ったきり帰ってこなかったとうちゃんが お土産いっぱい持って戸を叩き 覚悟はしといて下さいと言われたかあさんの横で 「奇跡だ」医者がうなった 月が一番近づいた夜 何も見たことなかった男の子が 「思った通りだ」っておじいちゃんを驚かせ ずっと寝たきりだったパパが「さあ遊ぼうか」 子供達を飛び上がらせ又ママを泣かせた 月が一番近づいた夜 この季節しみてしょうがなかったおばあちゃんの あかぎれが治り そして俺のそばでは骨になったはずの あいつがのんきにあくびをしてる |
ありがてぇSION | SION | SION | SION | MARC RIBOT | ビルに沈んでく おてんとう様も 今じゃ変わりなく 妙にいいさ いつか夢見た暮らしは まだ光ってて 力をくれる ありがてぇ まあ いろいろあるさ いろいろあるさ 生きてっからね 明日早いから もう一杯だけ飲んだら 寝るからよ おっ ありがてぇ いつもこうして お前明るいから いつもついつい 甘えちまう ほんとは逆じゃなきゃ いけないよな つくづく思うんだな ありがてぇ にぶい俺だけど ちゃんとわかってるって 悲しい思いをした日の笑顔は てれくさいから 何も言えないから もう一杯くれ おっ ありがてぇ 朝のニュースと違って この時間になると いつも元気なテレビの 天気予報も ちょっとトーンの落ちた眠たげな声で 明日は晴れ時々所によって雨でしょう まあ いろいろあるさ いろいろあるさ 生きてっからね 明日早いから もう一杯だけ飲んだら 寝るからよ おっ ありがてぇ |
彼女少々疲れ気味SION | SION | SION | SION | SION | 彼女 少々 疲れぎみ 報われないから 疲れぎみ ヤケになるほど 若くないし ひとりで生きるほど 強くないし わかちあうものを 探すけど いつも最後は ガマン ガマン ガマン バカな女をやるほどの いい男はいないし また冬は来るし 酔っぱらえば みっともないと言われ 黙っていれば きどっていると言われ 欲しがれば 好き者と言われ 寂しがれば いい歳をしてと言われ 彼女 少々 疲れぎみ 「わかったようなことを唄わないで ちょっとちょっと そののヒゲ」 どうもすいません もうしません |
金魚SION | SION | SION | SION | | 金魚が欲しいのに 飼えないから悲しい 金魚が飼えたなら 他に何もいらないのに 欲しくて 欲しくて どうしても欲しいのに いい子じゃないから 飼っちゃいけないって いい子にしてたから 金魚を買ってもらえた 水槽もいっしょに ブクブクもいっしょに うれしく うれしくて みんな大好きになった うれしく うれしくて 道草もしなくなった だけどいつの間にか 忘れかけていたよ 泳がなくなるまで 忘れかけていたよ いっぱいあやまって いっぱい泣いた みんなさみしいから 忘れられたら 死ぬんだね |