ねぇ、だから、一人置いていかないで…。

 26歳の女性シンガーソングライター“THE SxPLAY(ザ・スプレイ)”が、来たる12月14日に約1年ぶりの新曲「キミが残した世界で」と「Guardian」を配信リリース!今作は、大人気スマホ音楽ゲーム“Deemo”の最新バージョン2.4に収録されている2曲です。どちらも<大切な人との別れ>をテーマに歌詞が綴られております…。歌ネットではリリースに先がけて歌詞の先行公開がスタートしましたので、早速、今日のうたコラムで「キミが残した世界で」をご紹介。尚、注目度ランキングでは「キミが残した世界で」が最高位2位、「Guardian」が最高位5位と、2曲ともに上位を記録しています…!


君が先に行くなんてさ
気付いたら 空が明るくなってた

私にはまだ眩しいよ
希望に満ちたような陽の光
ねぇ だから 一人置いていかないで

二人で歩いた日々を
思い返せば何気ない瞬間でも
胸一杯に広がって また君のことばかり想ってしまう
最後だって知っていたなら
あの夜 私は何ができたかな?
考えたって仕方ないのに…
「キミが残した世界で」/THE SxPLAY

 もしも大切な人が急にそばからいなくなってしまったとき、亡くなってしまってもう二度と会えないとき、“止まない雨はない”とか“明けない夜はない”とか、どんな前向きな言葉もきっと残された方の心には届かないような気がします。それこそ<希望に満ちたような陽の光>なんてただ眩しくて、目を閉じたくて、「このまま君のトコロに行けたなら…」、そう思ってしまうのは仕方のないことでしょう。

 最初は<君が先に行くなんてさ>…と、現実を受け入れない気持ちに占められていた心。でも時が経つにつれ、次第に<あの夜 私は何ができたかな?>という後悔、悲しみ、苦しみ、幸せだった日々の思い出、そんな渦の中から抜け出せなくなってしまうのです。でも、それでも、その先を生きていかなければならないのが人間であり、その先を生きていくための涙に打ち勝つ強さを持っているのも人間なのではないでしょうか。

二人で歩いた日々を
ねぇ 君も忘れないでいてくれるかな?
空一杯に広がった 星の音色が聴こえるねなんて笑って
最後だって知っていたから 
君は ぎゅっと抱きしめてくれてたの?
そのぬくもりがあるなら 
今は 少しだけ 夜明けが見たいよ
「キミが残した世界で」/THE SxPLAY

 この曲では、冒頭で光を拒んでいた主人公が、最後のひとフレーズで<今は 少しだけ 夜明けが見たいよ>と、少し、ほんの少しだけ悲しみの先を見つめているのです。THE SxPLAYは、強引な明るさで誰かを傷つけないように、そっとほのかな光を歌の最後に残したのかもしれませんね…。また、この曲を聴いていて、作家・江國香織さんの小説『神様のボート』に綴られていたこんな言葉を思い出しました。

一度出会ったら、人は人をうしなわない
たとえばあのひとと一緒にいることはできなくても
あのひとがいたら何というか
あのひとがいたらどうするか
それだけで私はずいぶんたすけられてきた
それだけで私は勇気がわいて
ひとりでそれをすることができた
(江國香織/『神様のボート』より)

 きっと、「キミが残した世界で」生きていく主人公も、本当の意味で<君>をうしなうことなどないのでしょう。これから先、何度でも“あのひとがいたら何というか、あのひとがいたらどうするか”そう考えることが前に進む力になっていくのだと思います。そして、全英詞の「Guardian」も、誰かを亡くしたときにそれを受け入れる難しさと、大切な相手だからこそ生まれる悲しみや辛さを通り越した感情、その両方を見つめて描かれた歌詞。今、暗闇の中にいるという方に届いてほしい2曲です。是非、歌詞を読みながら楽曲を聴いてみてください。

 また、「キミが残した世界で」ミュージックビデオのショートバージョンも公開となりました。MVに登場する仮面の女性は、劇団四季出身の現役アーティストで、東京ガールズコレクションでは初のソロダンサーに抜擢されたプロダンサーの“池田美千瑠”が担当。そんな彼女の美しいコンテンポラリーダンスも見どころの一つ。透明感の中に力強さがあるTHE SxPLAYの歌声と、繊細でありながら力強く舞う池田美千瑠のダンスに注目です。