あなたのその茶色の髪はあたしと同じシャンプーの匂い。

私たち同じシャンプー使ってるじゃないですか。
家族じゃないけど
髪の毛から同じ匂いして
同じお皿使って
同じコップ使って
パンツだってなんだって
シャツだってまとめて
洗濯機に放り込んでるじゃないですか
そういうのでもいいじゃないですか。
(ドラマ『カルテット』第3話より)

 2月1日は<2(に)0(お)1(い)>の語呂合わせから<ニオイの日>と呼ばれているそうで、ちょうどドラマ『カルテット』の第3話にこんなセリフがあったので冒頭でご紹介してみました。血の繋がった家族とうまくいかなかった女性に向けて、彼女と同居生活をおくっている女性が贈った言葉です。シャンプーのみならず、同じ洗剤で洗っているから、きっと衣服も同じ匂いなのでしょう。そうして同じ“匂い”をまとって生きるだけでも人と人は結びつくことができるし、匂いから家族や恋人や大切な人との繋がりを感じることも多いのだ、ということに気づかされました。
 
 また、恋愛面でも匂いは大切な役割をしており、<女は匂いで恋をする>とも言われているんだとか。だから“匂いフェチ”だと言う女性もよくいらっしゃいますよね。それには理由があり、彼の匂いが好きだということは、イコール“遺伝子レベルで相性が良く、遺伝子をかけ合わせても大丈夫”ということであり、女性にはそんな遺伝子を嗅ぎ分ける能力があるからなんだそうです。さて、ラブソングでも<匂い>や<香り>という言葉は多々登場します。なかでも、このワードを多く使う印象が強いアーティストは“aiko”ではないでしょうか!

じゃあ またねと見えなくなるまで
手を振って帰った部屋
ほどいた髪の毛にあなたの匂いがついてたから
「ホーム」/aiko

思いきりかんだ爪の先は昨日塗ったマニキュアの味
あなたのその茶色の髪はあたしと同じシャンプーの匂い
「桃色」/aiko

少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
甘い匂いに誘われたあたしはかぶとむし
「カブトムシ」/aiko

あなたの匂いを大好きな あなたの体を大好きな
あたしの鼻とこの唇 それで十分だったの
「何時何分」/aiko

あなたの匂いを思い出さなくなるような
つまんない女の子にはなりたくない
「Do you think about me?」/aiko

嫌なこと悲しいことを見える目聞こえる耳
あなたの匂い愛しく吸い込む口
「染まる夢」/aiko

 …と、ピックアップしたのは6曲ですがまだまだありそうですねぇ。まさに<女は匂いで恋をする>と言いますか、恋をしている相手の“匂い”までも非常に愛おしんでいることが伝わってきます。主人公は五感で恋をしているのです。ただ、付き合っているときは彼の匂いから幸せやトキメキを感じますが、別れた後にもふと“あの頃の匂い”に再会してしまい、胸がキューッと切なくなる、なんてこと、よくありますよね。実は“思い出”と“匂い”は密接に関係しているそう。
 
 某サイトによると、匂いにまつわる思い出は“なかなか言葉にできないこと”が多いんだとか。つまり嗅覚の記憶は、細かいところを思い出しにくく、その匂いに結びついている“感情”だけが呼び起こされるから、より切ないそうなんです!恋愛で言えば、呼び起こされるのは、相手を心から愛していた頃、愛されていた頃の感情でしょう。たかが匂い、されど匂い、ですね…。どうかみなさんも、大切な人の“匂い”を失いませぬように…!