大事にしたから大切になった、初めから大切なものなんてない。

価値のあるものを買うのではなく
自分で価値を作れる人間は強い
(映画『森崎書店の日々』より)

 本の街・神保町を舞台に一人の女性の成長を描いた映画『森崎書店の日々』の中でそんなセリフが登場しました。もちろんお金は大切です。価値のあるものを買うことだって間違いではありません。では、どうして<自分で価値を作れる人間は強い>のでしょうか…。今日のうたコラムでは、是非そんなことも考えながら聴いてほしい新曲の歌詞をご紹介いたします。“SEKAI NO OWARI”が10月5日にリリースした期間限定ニューシングル『Hey Ho』です。

ぼろぼろの思い出とか
ばらばらに壊れた気持ちも
大事にしたから大切になった
初めから大切なものなんてない

どこか遠い世界のことなど
どうでもいいやと呟いた
大事にしないとああ、こんなにも
大切なものなんて無いんだなあ
「Hey Ho」/SEKAI NO OWARI

 まず、この冒頭のフレーズで<自分で価値を作れる人間は強い>理由がわかるような気がしませんか? “ぼろぼろの思い出”も“ばらばらに壊れた気持ち”も自分で作りあげたものです。しかしそれが“大切”な価値になったのは、そこに“大事にする”という<意志>があったからだとセカオワは歌うのです。その<意志>こそが、自分で価値を作るために必要なもの、そしてその人自身を強くするものなのではないでしょうか。

 また、「Hey Ho」は“動物殺処分ゼロプロジェクト支援”シングルとなっております。セカオワは、殺処分ゼロの活動に実績がある認定NPO法人『ピースウィンズ・ジャパン』と共に、動物殺処分ゼロプロジェクト“ブレーメン”を立ち上げ、今作で生じる収益を支援にあてていくとのこと。“ブレーメン”では、譲渡シェルターや譲渡スペースの建築を目標に支援をスタートします。その支援に対する想いも「Hey Ho」の歌詞の中にしっかりと綴られているのです。

例えば君がテレビから流れてくる
悲しいニュースを見ても心が動かなくても
それは普通なことなんだと思う
誰かを助けることは義務じゃないと僕は思うんだ
笑顔を見れる権利なんだ 自分のためなんだ

Hey Ho Stormy Seas
誰かからのSOS
きっとこのまま「誰か」のまま放っておけば
忘れてしまうだろう

Hey Ho Stormy Seas
また聞こえるSOS
この嵐の中、船を出す勇気なんて僕にあるのかい
「Hey Ho」/SEKAI NO OWARI

 誰かを助けることは義務じゃなく、笑顔を見れる権利。だからこそ、人に押し付けられて何かをするのではなく「自ら“大事にしたい”という意志を持ち、“大切な価値”を作りあげていこう…!」そんなメッセージが<Hey Ho>というやさしくポジティブな呼びかけに乗って私たちの心に届いてきます。尚、歌詞に<誰かからのSOS>というワードも登場しますが、セカオワの前作シングル「SOS」の英語詞にはこの「Hey Ho」に通じるような想いが込められていました。

子どもたち、心が無感覚にならないように
“静寂”に耳をすませて
誰かを救うことは自分を救うことと同じなんだって
本当はもう、知っているはずなんだ
「SOS」(日本語訳)/SEKAI NO OWARI

 新曲「Hey Ho」のラストは<この嵐の中、船を出す勇気なんて僕にあるのかい>という自らへの問いかけで締めくくられています。しかし、<誰かを救うことは自分を救うことと同じ>だということも<誰かを助けることは義務じゃなく、笑顔を見れる権利>だということも知った“僕”はきっと、すでに覚悟を決めているのでしょう。さて、セカオワの曲を聴いたあなたは、聞こえた誰かからのSOSを、どうしますか…?

◆動物殺処分ゼロプロジェクト支援シングル「Hey Ho」
2016年10月5日発売
初回限定盤A【CD+LIVE CD】 TFCC-89598 ¥1,800(税抜)
初回限定盤B【CD+LIVE CD】 TFCC-89599 ¥1,800(税抜)
期間限定通常盤【CD】 TFCC-89600 ¥1,200(税抜)

<収録曲>
1.Hey Ho
2.Error
3.Death Disco –remixed by melodysheep-