歌詞が“女性蔑視”であると炎上の楽曲がデイリー首位!

 ここ数日、歌詞アクセスのデイリーの1位を記録しているのは“なこみく&めるみお(HKT48)”の「アインシュタインよりディアナ・アグロン」という楽曲です。この曲は、4月13日にHKT48がリリースした7th single『74億分の1の君へ』Type-Cに収録されているカップリング。その曲が今こんなにも注目を浴びているのは、歌詞が“女性蔑視”だとして炎上したことが原因です。女子大が反対意見を表明したり、作詞した秋元康を批判したメディアが秋元側から告訴されたりという事態にまで発展しているそうな…。(炎上といえば、昨年は平浩二「ぬくもり」がミスチル「抱きしめたい」のパクリだと話題になり、連日ランキングの1位を獲得したこともありました。)

難しいことは何も考えない
頭からっぽでいい
二足歩行が楽だし
ふわり軽く
風船みたいに生きたいんだ

女の子は
可愛くなきゃね
学生時代は
おバカでいい
今 一番 大切なことは そう
キャピキャピと
音が聴こえることでしょう?

アインシュタインより
ディアナ・アグロン
テストの点以上
瞳(め)の大きさが気になる
どんなに勉強できても
愛されなきゃ意味がない
スカートをひらひらとさせて
グリーのように
「アインシュタインよりディアナ・アグロン」

 <かわいいは正義>という有名なキャッチコピーも登場する「アインシュタインよりディアナ・アグロン」。たしかに歌詞の全文を通じて、女の子を軽く見すぎですし、女性に対する皮肉もチクチクと感じます。やっぱり“可愛くて、愛されることだけが全て”だと言わんばかりのこの曲を聴いて、良い気持ちになる女性はいないのではないでしょうか。もしこの歌詞を作ったのが女性自身であるならそれは“自虐”で済むのかもしれませんが、男性である秋元康が歌詞を綴り、女の子のアイドルに歌わせているというところが炎上の理由ですよね。

“仲良くなりたいなんて嘘
認めさせたいだけなんでしょ
おいしくないお菓子を取り合ってどこに行けば良いの

取り繕って笑い合う私たちは邪悪だね
切り付け合って耐え忍ぶ私たちは綺麗だね

お姫様は一人で良いの。だからきみと殺し合うの”
「普通の女の子」白波多カミン with Placebo Foxes

 ただ、一言で“女性”と言っても価値観は人それぞれ。女性アーティストの“白波多カミン”は以前、CINRA.NETインタビュー内で「女の子って、結局常に見られる側で、選ばれる生き物なんですよね。男性が選んでくれないと子孫が残せない」と発言し、物議を醸しておりました。「アインシュタインよりディアナ・アグロン」のような歌詞に強い怒りを感じる方もいれば、社会の中、恋愛関係の中での<女の在り方>を意識している女性アーティストの歌詞も少なくないのです。

 今、様々な面でますます女性の在り方や、女性への接し方について敏感になりすぎている傾向も感じます。つい最近、海外旅行に現役女子大生が隣に座って同行するというキャンペーンが“セクハラ”だと批判を受けて中止というニュースもありましたよね。その件について芸人の有吉さんは自身のラジオで「もう何でもダメになる。全部そうだよ」と嘆いておりましたが、本当にそのとおり。しかもそれは、女性側が気にしているというより、SNSなどで“ネタ”として拡散されていくエネルギーの強さによるものである気もします。何にせよ、炎上で歌詞が1位になるのではなく、本当に素敵な楽曲がちゃんと首位に輝いてほしいですね…!