ウィークリーランキングから歌ネットの2019年を振り返ります!

 2019年のうたコラム、年内ラスト更新です。新曲のコラムから、アーティスト本人が執筆した歌詞エッセイまで、ご堪能いただけましたでしょうか。みなさま、いつも歌ネットをご愛用&ご愛読いただき誠にありがとうございます!さて、今回は1年の集大成ということで、歌詞ウィークリーランキングの記録をもとに今年を振り返ってみましょう。

 ちなみに、2018年はウィークリーランキングの首位を、back number「瞬き」と米津玄師の「Lemon」とUru「プロローグ」がバトンタッチするような形で独走し続けていたのが印象的でした。しかし、2019年(とくに下半期)は月ごと週ごとにランキングが細かく変動する年だったのです。まず、今年1月1日の時点で首位に輝いていたのは、米津玄師の「Lemon」です。

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光
Lemon」/米津玄師


 平成最後の『紅白歌合戦』に初出場し、同曲を披露。すると、大晦日と元旦だけで合わせて10万回以上の歌詞アクセス数を獲得。その後も余波は続き、2018年末~2019年2月4日付のウィークリーランキングまで、6週連続1位を記録しておりました。そんな“Lemon旋風”を新曲で抑えたのが、back numberの「HAPPY BIRTHDAY」です。

くだらない話は思い付くのに
君を抱き締めていい理由だけが見付からない
ああそうか そうだよな
ハッピーバースデー 片想いの俺”
HAPPY BIRTHDAY」/back number


 2019年2月27日にリリースされたシングルタイトル曲であり、深田恭子の主演ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌として書き下ろされた楽曲。歌詞先行公開時には【注目度ランキング】の1位を記録し、瞬く間に歴代人気曲(歌詞アクセス10万回以上の楽曲)に認定。そして2月11日付~3月25日付のウィークリーランキングで7週連続1位に!
 
 くだらない話なら、いくらでもできるくらいの親しい関係ではあるのに、いつまでも<抱き締めていい>ところには至らないもどかしさ。そこで<ああそうか そうだよな>と、思い知る恋の現状。【誕生日】をテーマに、片想いをしているすべてのひとが深く共感できるような想いが描かれていますよねぇ。この歌は現在も人気が高く、200万回に迫る歌詞アクセス数を記録するミリオンリリックとなっております。

 そして【平成】から【令和】へと移り変わる4月1日付~5月20日付のウィークリーランキングでは、再び米津玄師「Lemon」が首位に返り咲き、8週連続で1位。これは様々な音楽番組で“平成の音楽史のヒット曲”として「Lemon」が紹介された影響が大きいと考えられます。現在、歌詞はなんと前人未到の1000万回に迫る総アクセス数を記録。さらに、歌ネットの歴代人気曲の1位として輝く、伝説の名曲となっております。

グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも
甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
Pretender」/Official髭男dism


 新時代・令和に突入し、新曲でウィークリーランキング首位を記録したのは、“ヒゲダン”ことOfficial髭男dismの「Pretender」です!2019年5月15日にリリースされたシングルタイトル曲であり、映画『コンフィデンスマンJP』主題歌として書き下ろされた楽曲。歌詞先行公開時から35位(4月29日付)→19位(5月6日付)→4位(5月13日付)→3位(5月20日付)と着実にランキングを上昇し、ついに5月27日付のウィークリーで1位を獲得!
 
 そこから9月2日付のランキングまで、15週にも渡り、首位を独走し続けました。尚、ボーカルの藤原聡は同曲のリリース時、歌ネットのインタビューにも登場。この歌について「俯瞰で二人の関係をはっきりさせるような、簡単に関係に名前をつけられるような歌詞にしたくなかった」「この曲がそのひとの人生にとってのお気に入りになってくれたら」と歌詞への真摯な想いを語ってくださいました。
 
 そんな“愛”がリスナーの心を揺さぶったからこそ、ヒゲダンはこの歌をきっかけに大ブレイク。デビュー時から歌詞人気の高いアーティストでしたが、彼らの音楽はより多くの方に愛され、今年の歌ネット年間ランキングでも、楽曲別歌詞アクセスランキングで「Pretender」が2位、アーティスト別では5位と、支持率の大きさが表れる結果となりました。

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
パプリカ」/Foorin


これが愛じゃなければなんと呼ぶのか
僕は知らなかった
呼べよ 花の名前をただ一つだけ
張り裂けるくらいに
鼻先が触れる 呼吸が止まる
痛みは消えないままでいい
馬と鹿」/米津玄師


 そして、現在に至るまで、Official髭男dism「Pretender」は、繰り返しウィークリーの1位を獲得し続けているのですが、9月以降は、ランキングの首位が週ごとに変化。登場したのは、Foorin「パプリカ」と米津玄師「馬と鹿」です。まずFoorinとは、NHK主催の“2020応援ソングプロジェクト”による応援ソングを歌う小中学生の音楽ユニット。その応援ソングが、米津玄師による作詞・作曲・プロデュース「パプリカ」です。
 
 昨年8月15日にCDリリース。さらに同曲を米津玄師がセルフカバーし、2019年8月・9月の『みんなのうた』として公開。FoorinのMV再生回数は1億回を超え、ダンス動画が投稿されるなど、子どもから大人まで幅広い年代に愛される歌としてロングヒットしております。また、米津玄師「馬と鹿」は、2019年9月11日にリリースされたシングルタイトル曲であり、大泉洋の主演ドラマ『ノーサイド・ゲーム』主題歌として大ヒット。

まちがいさがしの間違いの方に
生まれてきたような気でいたけど
まちがいさがしの正解の方じゃ
きっと出会えなかったと思う
まちがいさがし」/菅田将暉

 
 さらに、首位獲得には至らなかったものの、2019年5月14日に菅田将暉が配信リリースした「まちがいさがし」も米津玄師による提供曲であり、100万回アクセスを超えるミリオンリリックとして歴代人気曲に認定。現在も尚、ウィークリーTOP10入りをキープし続けております。このように、米津玄師は自身の曲も提供曲も次々とヒット。年始の“Lemon旋風”を超える“米津旋風”が巻き起こっていると言えるのではないでしょうか。

真っ白に全てさよなら
降りしきる雪よ
全てを包み込んでくれ
今日だけは
全てを隠してくれ
白日」/King Gnu


あなたの瞳に映って
私たち二人笑い合って
絵空に見ていた儚い夢だ
白い息を小さく吐いて
「最高に幸せ」って
きっとまだ
解っていた
ずっと“まだ”なんだね
願い」/sumika


 ただし現在、ランキング上位には、今年リリースされたKing Gnu「白日」やsumika「願い」もランクインしており、いずれも歴代人気曲に認定されております。Official髭男dismの新曲「宿命」や「イエスタデイ」も然り。つまり今年は、様々なアーテイストがそれぞれの大きな“旋風”を巻き起こしながら、ランキングを動かしてきたのです。
 
 あなたは2019年、どの曲がもっとも印象的でしたか? お気に入りの歌詞は年末年始に是非、改めて検索してみてください。また、グッときたフレーズに出逢えたときには、【コトバのキモチ】コーナーへのご投稿もお待ちしております。オリンピックイヤーの2020年にはどんな名曲が誕生するのか、期待が高まりますね…!それではみなさま、良いお年を。そして来年も何卒、よろしくお願いいたします!