言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。 「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介して行くこのコーナー。
 今回は、シンガーソングライターとして活躍しながら、水樹奈々や中川翔子の作詞作曲、ももいろクローバーZの作曲などを手がけ、実力派若手女性作家としても注目を集める「しほり」さんをゲストにお迎え致しました。

代表作

ユニバーサル・バニー」/シェリル・ノーム starring May'n
Glorious Break」/水樹奈々
ミュステリオン」/水樹奈々
星屑シンフォニー」/水樹奈々
つよがり」/中川翔子
カタルモア」/南條愛乃
グローリー!」/三森すずこ

作曲論

「歌詞」である限り、どれだけいい内容であっても、耳で聴いて「音」として自然と入り、ストーリーが目に浮かぶ言葉でなければ意味がないと思っています。

しほりさんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:

17歳の頃、「愛について」世の中にメッセージを伝えたい、と意識し、歌詞ありきの曲作りをするようになりました。

Q:
プロ、初作品について
A:

ユニバーサル・バニー。楽曲コンペに参加していた時に、ふといただいた詞先コンペで、当時歌詞には自信がなかったのですが、どうしても菅野よう子さんとお仕事したいあまり、3作品出したうちの1つが採用となりました。リリースが1年近く後だったので、その後作詞作曲で採用された、水樹奈々さん「沈黙の果実」が、最初のリリース作品となりました。

Q:
作品を提供したいアーティスト
A:

ももクロちゃん。
いつも作曲のみなので、作詞でも採用していただけるようにがんばりたいです。

Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:

「Dreaming Mermaid」

Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:

子供の頃から、世の中の大人たちが、固定概念を鵜呑みにして「仕方がないものだ」と思い込んで生きていることに疑問を抱いていて、「もっと幸せに生きていいんだよ!」とか、「もっと愛しあえるよ!」というメッセージを世界に伝えたくて、その表現のひとつが作詞だったのだと思います。

Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:

確固たる伝えたいメッセージがあることが大前提として、言葉の勉強だけではなく、サウンド感が重要です。「歌」の「詞」である限り、言霊パワーを最大限に活かせる語感、メロディやフレーズの解釈を学んでほしいです。そして書く時は、必ず歌いながら作詞する。元のメロディを極力崩さず「てにをは」の調整や、語彙のアイディアで、バシっと完璧にハマる言葉が見つかった時、元のメロディを何倍もよくできる歌詞となります。歌詞次第でメロディを生かしも殺しもするので、自分に厳しく、これぞ!という言葉を探してください。

歌詞を見る

南條さんは長年の友人でもあるので、リアルな気持ちを普段から聞いており、まるで本人が書いたかのような、「シンガーソングライターが書いたテイスト」の歌詞を目指しました。急な依頼だったのですが、滞在先の軽井沢のカフェで作詞作曲して、iPhoneで録音して送信し、チェックしてもらいました。何も滞ることがなく気持ちよく降りてきてくれました。

■私の好きなあのフレーズ

ほんとはふれたい
あい
あい
あい
あい
あい
あいたいよ…

PROFILE

しほりshihori

愛知県出身の、シンガーソングライター、作詞作曲家。
7歳で「歌手になる!」と独学で作詞作曲を開始。
2002年に歌唱したゼクシィCMソング「パパパパーンの歌」が話題になる。
2009年より類稀なソングライティング力を活かし、楽曲提供を開始。
以降、参加楽曲が軒並みトップチャートにランクイン。
ももいろクローバーZに作曲で提供した「GOUNN」「My Dear Fellow」が2013年、2014年の紅白にて歌唱される。
実力派の若手女性作家としても注目を集める、無限大アーティスト。

近況報告

ももいろクローバーZ×TeddyLoid
「Re:MOMOIRO CLOVER Z」

KICS-3287〜8 ¥3,240 (tax in)
2015.9.16 Release
「GOUNN」「青春賦」(作曲)

水樹奈々
「SMASHING ANTHEMS」

通常盤 KICS-3297 ¥2,800 (tax out)
2015.11.11 Release
M-1:『Glorious Break』
アニメ「戦姫絶唱シンフォギアGX」挿入歌(作詞)
M-7: 『コイウタ。』(作詞)

【これまで登場した作詞家さん】