言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、平井堅の「楽園」で作詞家としてデビューし、時代性を重視した痛みと温かみのある歌詞を得意とする「阿閉真琴」さんをゲストにお迎え致しました。

阿閉真琴

代表作

平井堅楽園
V6ありがとうのうた」ASZ PROJECTとして参加
光永亮太believe
島谷ひとみJ.U.M.P
前川清霖霖と

作詞論

作詞は詩とは違い、音楽制作の上の言葉という一つの楽器だと思っています。紙上で見て素晴らしいことも大切ですが、歌になった時に立体感、色彩、メッセージが伝わるかどうかが大切。そういう意味で僕は作詞家も極めて裏方なミュージシャンのひとりだと思っています。あとは僕がいつも気にとめているのは温かさです。人としての温かさや心の痛みをいかにして歌に乗せるかが、今後の僕自身の課題でもあります。

阿閉さんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
デビューの5年ほど前から何社かの作家事務所でコンペに参加していて、今の事務所で「楽園」で採用になりデビューしました。
Q:
プロ、初作品について
A:
平井堅さんの「楽園」です。
当初C/Wだと思っていたのでタイトル曲になったと聞いた時には驚きました。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
この世に存在するすべてのアーテイスト。なのですが現実には不可能なので(笑)歌の表現力のある今後出てくるアーテイストの方に書かせていただけると光栄です。ご依頼、首を長〜〜〜〜くしてお待ちしております(^^)
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
自分の書いた作品はどれも愛着があります。
なので、売れなかった曲と言うよりも採用にならなかった歌の中に好きな歌詞がたくさんあります。
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
学生の頃作詞作曲したバンドのオリジナル曲をラジオでかけてもらった時に「失恋から立ち直った」等、沢山の手紙を頂いて感動して、それからです。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
新人の僕がアドバイスと言うのもおこがましいのですがただひとつ言えるとするなら作曲や楽器を学ぶのは良いかもしれません。僕も作詞をするときは常に作曲家の気持ちになってその意図を探しながら言葉を色付けします。あとはとにかく沢山音楽を聴いて、聴いて。書いて書いて書き続けることだと思います。実際、不安定であまりお勧めできる職業ではありませんが。夢や喜びやロマンはあります。
どんな職業でもそうですが。机上の空論ではなく何度も実践し、諦めないことが一番大切だと思います。
歌詞を見る涙 Boogaloob

この曲は僕と同じ事務所所属のアーテイストBoogaloobの曲なのですが、ギターの皆川匠から曲を頂いた時に、瞬間で巡るように言葉が浮かびました。世界中で天災や悲しいニュースが多い中、少しでも音楽で何かを伝えられたらと思って書いた曲です。ライヴで聴くと温かくて、自分の曲ながら泣きそうになります。

■私の好きなあのフレーズ
「人は泣く 嬉しくて 悲しくて 悔しくて
花に降る雨の様に鮮やかに
その生跡(きせき)が涙になる」

PROFILE

1969年11月23日富山県に生を受ける。
学生時代。バンドブーム、イカ天ブームに煽られバンドを結成。作詞作曲BASSを担当。当時ラジオでかけて頂いた自身のオリジナル曲に「失恋から立ち直った」等の沢山の手紙を頂き感激し作詞家への道を目指す。アルバイトや様々な職業を転々としながら作家事務所のコンペに参加し平井堅に提供した「楽園」にて作詞家としてデビュー。以後数々のアーテイストに歌詞の提供を続け現在に至る。

[CDリリース情報]

光永亮太
「believe」

2004.2.4発売
PONY CAYION/PCCA-70064

中島由紀江
「風がつれてきたSTORY」

2004.4.21発売
TEICHIKU/TECH-11001

Boogaloob
「ルナ」

M2「涙」
2004.11.3発売
東芝EMI/TOCX-2025

上原奈美
「BALANCE」

2005.2.23発売
東芝EMI/TOCT-4844

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