言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。
その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、
勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。
そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回のゲストは、「月のしずく」RUI、「雪の華」中島美嘉、「ギラ☆ギラ」KinKi Kidsなどの作詞でお馴染みの「Satomi」さんをゲストにお迎え致しました。

Satomi

代表作

情熱」(KinKi Kids)
心に夢を君には愛を」(KinKi Kids)
ギラ☆ギラ」(KinKi Kids)
月のしずく」(RUI)
UNLIMITED」(V6)
雪の華」(中島美嘉)
穏やかな風」(未来-MIKU-)
Shining Star☆忘れないから☆」(玉置成実)など

作詞論

作詞論なんてコトを考えながら、詞を書いたコトが正直ありません。だって、私なんてまだ新人ですから…ね。毎回ベストを尽くして、ただ頑張るだけです。
でも、私がいつも詞を書くときに、心がけているコトをあげるとするならば、メロディを殺さないように言葉を選び、歌いやすいように母音をおき、日常の景色を原色ではなく玉虫色で描くようにしています。あとは、どうしても最初に書きあがった詞と云うのは、自慰行為の賜物になってしまっていることが多いので、傍観者になって冷静に判断をしてから提出をするようにしています。これが、私の作詞論なんですかね?(笑)

Satomiさんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
イキオイ…って、ヤツです。(笑) 趣味で詞を書いている時点では、プロになってやる!なんて気は毛頭なかったのですが、元マネージャーがたまたま私の詞を見て、興味をもってくれたのがきっかけですね。非常にゆる〜い勧誘だった記憶があります。
Q:
プロ、初作品について
A:
2000年秋、to-yaさんのデビューシングル「are you...?」でした。最初お話をいただいた時は、カップリング曲だと聞いていたのですが、蓋を開けてみたらメイン楽曲に昇格していました。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
私の言葉を求めていただける方には、どなたにでも提供させていただきたいです。宜しくお願いします。(^0^)
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
あまり売れなかった作品…と云うのは、答えづらいですね。(苦笑)結果は別にして、私が携わった作品はどれも愛しいですよ。
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
気が付いたら趣味で書いてました…。ストレス発散のひとつだったのかも知れません。言葉を書くと云うよりも、妄想をしていると楽しいんですよね。(笑)
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
そんな偉そうなコトは云えませんが…。“右脳の傍観者になってください”って云うコトですかね。
歌詞を見る 片想い Satomi

未来-MIKU-のアルバム「Grand Chariot〜愛の贈り物〜」に収録されているR&Bなバラードです。この曲(デモテープ)を最初に聞いた時、暖かい体温を感じることができました。しかし、どこか切なくて胸を締め付けられるような感覚を受けました。まさしく片想いの心情に通じるものでした。この詞に関しては、本能の趣くま まに書いた最初で最後の作品です。

■私の好きなあのフレーズ
静かにそっと燃える この気持ちはきっと片想い

PROFILE

1972年
北海道生まれ
2000年
11月作詞家としてデビューし、これまでにto-ya、 KinKi Kids、RUI、V6、未来-MIKU-、中島美嘉、玉置成実などの作品を手掛けている。
2001年
5月には、同事務所の作詞家篠崎隆一と“double S”(作詞ユニット)を結成し、これまでにhiro、堂本光一などの作品も手掛けている。現在は、関西を拠点に作詞活動をしている。
2003年
第45回日本レコード大賞では、中島美嘉「雪の華」で作詩賞を受賞。

[CDリリース情報]

玉置成実
「Greeting」

(M-7:Shining Star☆忘れないから☆収録)
2004.2.25 ON SALE
Sony Records / SRCL-5653

柴咲コウ
「蜜」

(M-12:月のしずく収録)
2004.2.11 ON SALE
UNIVERSAL J / UPCH-1327

■近況報告
現在、色々な方のコンペに提出中。
●所属オフィス

【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー