一時期はちょっと幸せが怖かったんです。

―― ご自身の“理想の恋愛”というものを想像するといかがですか?

もし、刺激だけを求めるのであれば、思い切り好きになって、なんでもしてあげたい!みたいに思えたら良いかなぁ。でもそれってホント続かないんですよね、全然(笑)。それに私は音楽でやりたいことがまだまだたくさんあるし…。って考えると、お互いそれぞれやりたいことがあるというのが理想です。

―― もしもレオさんがすっごく好きになってお付き合いした人が「でも俺はレオには家庭に入ってほしいんだ」とおっしゃったら…?

ちょっと、難しいでしょうね。もうそうなりつつあると思いますが、これからの時代は逆転していていいと思っているんですよ。正直、主夫がほしくて(笑)。私が外で頑張るから、お家のことをしてほしい…。なんかそういうことも今後の自分の音楽にとって面白いテーマになるんじゃないかなぁ。女性ってやっと仕事が面白くなってくる時期に、“結婚適齢期”とか言われちゃって。それがしんどくて自分の夢を諦めてしまう女性がいたら少し、寂しいですよね。

―― もっといろんな形があって当たり前になっていけばいいですよねぇ…。20代半ばから、そういうことを考える機会ってどんどん増えてきますよね。

私のまわりは、第一波の結婚ラッシュが来ていて。自分もそういう年齢になってきたんだな、って時の流れに驚いてます。きっとこれからどんどん医療も発達していくし、女性も自分の人生を謳歌しながら、子どもを育てられる社会になってほしいなぁって本当に思います。だけど私はやっぱり歌い手だから、こういう想いを作品ありきで発信していかないと意味がなくて。今の自分の思想とか価値観を喋っているだけだと、ちょっと違うなって。だから、ちゃんと音楽に落とし込んでいきたいですね。

―― では、ここからはもう少し作詞についてお伺いしていきます。レオさんにとって、スムーズに作りやすい歌詞の構成法ってありますか?

photo_03です。

それこそ今回の「微熱」がそうでした。この曲は、初めて詞先で作ったんです。私は毎回プロットを書くんですね。こういう感じの曲にしたいという設定とか決めて。で、通常はそれを相手の方に投げて、メロディーが上がってきてから歌詞を書きます。だけど「微熱」は、プロットを作曲編曲の本間昭光さんに投げたら、そのプロットに書いていたことがポエムっぽかったというのもあって、本間さんが歌詞だと思ってくださって、プロットの言葉にそのままメロディーをつけてくださったんです。

自分で曲を作るときも、今までは曲先でやってきたんですけど、プロットを歌詞にしていく作業の時、どうしてもメロディーの文字数によって言葉を削らないといけないじゃないですか。でも「微熱」は本当に心のままに綴ったものが歌詞になったという意味でも、すごく想い入れがある一曲になったというか。他の収録曲よりも一層、歌詞に強さが宿っているかもしれないですね。

―― 作詞をする際の必須グッズや、必須場所のようなものはありますか? ちなみにゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんは、必ずマクドナルドで書くそうなんです。

目立ちそう(笑)!でも、気取らずに書ける日常感が良いんでしょうねぇ。私の場合は家かスタジオで書くのがほとんどです。で、前までは4Bの鉛筆で書いていたんですけど、最近はもうパソコンで書いちゃいます。だからMacのパソコンが必須アイテムですね!あと、私は少し神経質なので、誰かがいるとこの歌詞どう思われているのかなって考え始めちゃうから、必ず一人で書きます。スタッフとかに「どんな感じ?」とか見られると、もうダメですねぇ、急かされている気持ちになっちゃう(笑)。

―― 歌詞に使わないように意識している言葉とかってありますか?

前まではそういう縛りはすごく意識していました。それこそあんまりスイートな言葉遣いはしなかったかもしれない。「愛してる」とかを真っ直ぐに歌う自信もなかったですし。でもいろんな環境の変化もあって、今はすごく自由に、良いと思った言葉をそのまま入れてますね。

―― 最近「このフレーズにやられた!」という1曲を教えてください。

いっぱいあるけど…美空ひばりさんがカバーしている「グッド・ナイト・ベイビー」ですかね。その歌詞に<やっとみつけた この幸せは 誰にもあげない>っていうフレーズがあって。最初にお話した武道館のMCじゃないけど、なんかデビュー当時の一時期はちょっと幸せが怖かったんです。良いことがあっても、こんなにハッピーだと次はすごい苦しみがやってくるんじゃないかって思っていたんです。でも<やっとみつけた この幸せは 誰にもあげない>って、そう言い切れるくらいの経験をしたからこそのフレーズなんだなぁと感じて、その深みにグッと来ました。

―― レオさんは映画や小説からもたくさんインプットをされておりますが、とくに心に残っている言葉ってありますか?

最近、ズトーンって来たのは、RADWIMPS・野田洋次郎さんの『ラリルレ論』ですね。ご自身がツアー中に書いていた日記をそのままエッセイにしてらっしゃるんですけど、それがとにかく凄くて。とくに印象的だったのが「女性を好きになるとき、もちろん男性としてその人に惹かれるんだけど、自分のなかの女性的な部分に反応して、初めて恋になる」という内容でした。なんとなくわかる気がするんです。私も男性を好きになる要因の一つとして、自分のなかにいる男性がその人のことを素敵だと思ったから、恋になるというか。ただ異性としての「カッコいい」「カワイイ」だけなら、いつか尽きるじゃないですか。そうじゃなくて、同性として見たときに尊敬できるって、やっぱり強いなぁって。そんなことを考えましたね。

―― レオさんのこれからの夢を教えてください。

今は楽曲提供とかもかなり興味があって。自分以外の誰かに曲を作ることって、難しいだろうけど、ある意味すごく自由だと思うんですね。自分では歌えない言葉も、この人ならきっと素敵に歌ってくれるだろうなぁ、とか。もちろん自分の音楽も、もっともっと皆さんに知ってほしいし、表現をすることが好きなので「これ!」って一本に決めてしまわずに、いろんなジャンルに挑戦していける人になりたいです。

―― ありがとうございました!最後に、歌ネットを見ている方にメッセージをお願いします。

歌詞は自分のちょっとした体験をもとに作っていくんですけど、きっとそれはみんなの日常にも当てはまるものだと思うので是非、自分のことに置き換えて聴いてみてください!


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