INTERVIEW
MCで「ママー!」って呼ばれるのが夢です。

では、もう少し作詞についてお伺いしていきたいのですが、米咲さんが歌詞を書くときに大切にしていることはなんでしょうか。

米咲:歌詞はメロディーと一緒にできるときもあれば、メロディーが先に全部できてしまって、あとから歌詞を作るときもあって、そのパターンによって大切にすることが違いますね。でも全部に共通していることは、そこにロマンがあってほしい。あと、インディーズの頃の歌詞とはだいぶ変わったんじゃないかなって思います。

たしかに良い意味でわかやすくなったと言いますか、伝わりやすくなっているような気がします。

米咲:昔は、みんなに伝わる歌詞が書きたかったんだけど、書けなかったんですよ。自分の頭の中に次々と現れる映像は、私が書いてさえいれば伝わると思っていました。でも、その20コマ分とか1時間分の映像を曲に言葉として落とし込まなきゃいけないときに、どうも説明っぽくなったりとか、ただただ景色を描写していったりとか、当時はそれしかできなくて。

千明:最初はそれこそ本当に曲が“絵”みたいな感じでしたね。音でパーッて絵の具をつけて、その絵を説明するための言葉、というような歌詞だったと思います。

米咲:それが、言葉っておもしろくて。だんだん自分の思い描いていることを表すのにピッタリな“たった5文字”があったりすることに気づいていったんです。そこからは書くことがもっと楽しくなりましたね。今もすごく楽しいです。だけど、こうして自分の新しい形ができてから、「書けない」って思っていた当時の曲を聴くと、逆に今は同じものが書けないから好きなんですよ。なんか、いっつも自分のできないものが良いなって思うんですよね。

なるほど…。千明さんは今の米咲さんの歌詞にはどんなイメージをお持ちですか?

千明:よりドラマが強くなっているし、一番グッと来てほしいときにグッとくる言葉とか聴きたかった言葉がハマっているなぁと感じることが多いですね。すごく音と歌詞の使い方が上手いというか。だから音との相乗効果で伝わり方が倍になった気がします。音楽でこういうことが伝えたいっていうその芯の部分、根っこの部分が、ちょっとした言葉で伝わるんだなぁって、歌っていても実感しますね。

米咲さんは言葉の影響を普段どのようなところから受けることが多いのでしょうか。

米咲:映画もあるし、本もあるし、辞書もあるし、もっと言えばメールとかLINEとかも。自分が書く文章と他人が書く文章って絶対に違うんですよね。選ぶ単語とか語尾とか。そういうのもおもしろいですし、街の看板とかから影響を受けることもあります。とにかく言葉が好きですね、同じくらい憎らしいときもありますけど(笑)。

お二人が「歌詞が良いなぁ」と思うアーティストを教えてください。

千明:私は“アカシック”かなぁ。めちゃくちゃ好きですねぇ。女の子の心をすっごいわかっているんだけど、全然女々しくない。ひとつひとつのフレーズがグッとくるし、わかる。とくに「8ミリフィルム」とか。

名曲ですよねぇ。<君の才能が欲しかった>…。

米咲:<超好きだったのにな>ってねぇ。良いよねぇ。私はなんだろうなぁ…。あまり“とくに歌詞が好き”ということはないんですけど、ユーミンは特別ですね。「海を見ていた午後」って曲では、海沿いのレストランでソーダ水を飲んでいるんですけど、<ソーダ水の中を 貨物船がとおる>っていう情景描写の技術さえ感じさせないというか。自分は勉強のような感覚で、いろんな人の歌詞を聴くことが多いんです。でもユーミンを聴くと勉強どころじゃなくなりますね。もう、ただただ聴いちゃう。素敵…ってうっとりしちゃいますね。

では、赤い公園のこれからの夢はなんでしょうか。

千明:う〜ん…、あ、アレだよね。自分の子どもをライブに連れてきて、MCで「ママー!」って呼ばれるのが夢です(笑)。

米咲:そう、いつか楽屋が子どもジャングルになるのが夢です(笑)。なんか、メンバーの幸せと周りが思う幸せって違うと思うんですけど、いつでもメンバーの幸せを喜べるバンドでありたいですね!

最後に歌ネットを見ている方にメッセージをお願いします。

米咲:赤い公園、結構、歌詞イイよね!!ってことですね(笑)。

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