「ファンモンから新たな未来へ…」

 2013年6月に解散した大人気グループ・FUNKY MONKEY BABYSのリーダー"ファンキー加藤"が、待望のソロデビューシングル「My VOICE」を2月12日にリリース!

 グループ解散を乗り越え、ソロとしてやっていく決意を、手紙に乗せてファンへ届けるように綴った楽曲!偽りのないシンプルなメッセージが、ファンはもちろん、旅立ちや新たなスタートをきる人の背中を押すこと間違いない!

 歌ネットでは、そんな話題の作品を、いち早くお届けします!

My VOICE 作詞:ファンキー加藤
作曲:RUNNY/田中隼人
Ah 悲しみを超えて 大きな声で
「ここにいるよ」と歌ってるんだ
Ah どこまでも遠く この歌声が
いつかまた君に届く日まで
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INTERVIEW
「不安が原動力になっている…」

FUNKY MONKEY BABYSを解散してから、8ヶ月。ついにソロデビューCDがリリースされますね。

ファンキー加藤:6月2日に東京ドームでの解散ライブがあって、その時に止まった秒針がやっと動き始めたなと。それは僕にとってはすごく幸せなことで、始まったことにすごく高揚感がありますね。

希望と不安、両方が入り混じっていると思います。

ファンキー加藤:ファンモンの時からそうですけど、不安の方が大きいですよ。51対49ぐらいかな。でも、それは僕自身の人生を振り返った時もそうで、不安が原動力になっているので、それを突き放すというより、上手く背中に背負いながらやっていくのがベストな形なのかなと思っています。

グループからソロになってみて、不便に感じることも多いと思います。

ファンキー加藤:やっぱり10年間グループでやってきたので、常々違和感はありますよ。控室が広く感じたり、楽曲制作では、全部ひとりで決断しなければならなかったり、ステージ上では、全部ひとりで担っていかなくちゃいけなかったり…。でも、それは想定内で、1/3になれば、3倍の苦労があるのは当たり前だし。その分、自分の中の目標というか、小さなハードルですけど、一つひとつクリアするたびに3倍の充実感があるんですよ。

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ソロになっても、FUNKY MONKEY BABYSのような音楽を期待しているファンも多いと思いますが。

ファンキー加藤:楽曲制作を始めた6月の中旬から夏の終わりくらいは、「ファンキー加藤の新しいスタイルを作らなきゃ」って思っていたから、スランプになったんです。ただ、遠回りして辿り着いた結論ではあるんですけど、ファンモンのファンキー加藤もソロのファンキー加藤も地続きだし、無理やり「新しいことをしなくちゃ」っていう風にとらわれるのも、良くないなって思ったんですよね。「ありのままの俺を歌うこと、それが自分自身、一番気持ちいいんじゃないかな」って。

では、ソロとして一番意識していることは?

ファンキー加藤:今までもそうだったんですけど、これから、ファンキー加藤ひとりになった時に、より言葉を真っ直ぐに歌うミュージシャンでありたいと思いますね。メロディーをテクニカルに歌うことは出来ないので、短所を補うよりは長所を伸ばしていくことを意識しています。

2月14日には、グループ解散からソロデビューまでの軌跡を追ったドキュメンタリー映画が公開になりますね。

ファンキー加藤:気恥ずかしいですね(笑)。ドキュメンタリー映画については、ファンモンの解散後、「よりドラマティックな一年になるから、是非やりたい」っていう監督さんの熱意を受けて、承諾したんです。その後、僕のソロ活動発表があって、だから引き続き撮ろうと。監督さんが僕の一部を撮って、それを切り取って映画にしたので、僕は何もしてないから、映画に関してはプロモーショントークも上手にできないんですよ(笑)。

映像を観られてどうでした?

ファンキー加藤:解散してから、ひとりのステージに立つまでの葛藤が自分でも嫌になるくらい描かれているので、ファンモンやファンキー加藤を応援してくれている人が観たら、たくさんのことを感じてもらえると思いますね。

「とにかく孤独で、寂しかった…」

タイトルの「My VOICE」には、どんな思いが込められているのですか?

ファンキー加藤:タイトルは、歌詞ができて、曲ができて、ミックス、TD(トラックダウン)まで終わったスタジオで考えたんですけど、直感的に「My VOICE」がいいなって思ったんです。というのも、この歌詞の主人公は、どう考えても僕なんですよ。あまりにパーソナルすぎて、他の人に共感しづらいんじゃないかっていう危惧があるくらい。だから、考えれば考えるほど、「My VOICE」の一択しかなかったんです。

デビュー曲の候補として、他にも何曲かあったのですか?

ファンキー加藤:曲は3、40曲ぐらいありました。さっきも言った「何か新しいことをしなくちゃ」ってとらわれていた時期に作った曲なんで、ボツ曲ばかりです(笑)。黒歴史といっても過言ではないくらい(笑)。

そういう意味では、カップリングの「リスタート」も再出発を歌った曲ですよね。

ファンキー加藤:「My VOICE」が表の僕の思いなら、「リスタート」は女々しさがあって、捉え方によっては「恋愛の復縁」ともとれるようにしました。要は、リスナーが思いを乗せられる余白みたいなものを、より多く作ってあるんです。この曲も僕がファンの方に宛てた想いでもあるので、自分なりのダブル・ミーニングでやってみたんです。

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「My VOICE」に戻りますが、二人称の「君」の具体的なイメージはあったのですか?

ファンキー加藤:やっぱり、ファンの皆さんです。どういう形でスタートをきるのがベストなのかをずっと考えていて、遠回りしてスランプになって、最終的にはファンの皆さんに宛てた手紙を書いてみたんですけど、その手紙が歌詞の原型になっています。それは、ファンモンのラストシングル「ありがとう」も同じで、初めてセールスを度外視して、ファンの人だけに宛てた曲だったので、「ファンキー加藤の始まりも同じでいいんじゃないか」って思ったんです。

"出会いと別れが多すぎて 心が麻痺してしまうんだ"のフレーズは、とても印象的ですね。

ファンキー加藤:これは解散のことをイメージしたんですけど、未だに東京ドームのラストライブの映像を直視して観れないんですよ。今までだったら、涙はファンモンの応援歌で吹き飛ばせたんですけど、東京ドームでの涙っていうのは、"解散が悲しい""解散して欲しくない"っていう涙が多数だったので、僕らにはどうにもできないじゃないですか。まだ自分自身吹っ切れていない想いが、言葉になって表れたんです。

歌詞の中に出てくる「流れ星」は、何を象徴しているのですか?

ファンキー加藤:ライブ会場のピンスポットだったり、照明だと思うんですよね。やっぱり歌詞を書いている時は、ライブシーンだったり、ファンの方一人ひとりの笑顔や涙が、頭にあったから、言葉で取り繕うことができないくらいシンプルなんですよね。

"前に進んでるから壁にぶつかれるんだ"という表現も、ファンキー加藤らしいですね。

ファンキー加藤:解散して、空白の期間があるわけですよ。今まで10年間突っ走ってきた歩みが、急に止まって、毎日がすごくつまらなかったんです。当然「これから先どうなっちゃうんだろう」っていう不安もあったし、とにかく孤独で、寂しかった。その時の苦しさに比べれば、今、色々動いたことによって起こる障害なんて、屁でもないんですよ。向かい風や高い壁を乗り越えた時の幸せってあると思うし、止まってちゃ何も起こらないですから。

「頭で考えたというより、心が望んでいた…」

解散が決まった時、音楽以外の道へ進む選択肢はなかったのですか?

ファンキー加藤:考えなくはなかったですよ。やっぱりファンモンを解散した後のほうが人生長いわけですから。東京ドームのライブが終わって、お休みをいただいたんですけど、自然と足がスタジオへ行くわけですよ。だから、頭で考えたというより、心が望んでいた。自分の行動で気付かされましたね。

そういう意味では、現在「原点回帰」と名付けて、全国をインストアライブで回っていますが、ファンキー加藤さんの「原点」はなんですか?

ファンキー加藤:ファンモンが2006年に「そのまんま東へ」でデビューして、すぐに地元・八王子のタワーレコードで、初のインストアライブをやったんです。その時に、100人くらいのお客さんが来てくれて、それまでパッとしなかった自分の人生に一筋の光が見えた気がした。未だにその光景を覚えているんですよ。だから、今回のインストアライブを始める時も、「八王子の同じ場所からスタートしたい」っていう思いがあったので、原点というとそこになるんでしょうね。

インストアライブをやってみて、反応はいかがでした?

ファンキー加藤:「おかえりなさい」って言う声が、こんなにも心に温かく響くんだっていうことと「ただいま」って言える喜びを実感しました。どこかでまだ解散したことへの罪悪感みたいなものがあるんですよ。今までずっと前向きなメッセージを伝えてきたグループが、最後の最後でなんでこんなに大きな悲しみを与えなきゃいけなかったんだっていう。だから、これからのファンキー加藤を見せて行くことも大事ですけど、ファンモンの歌をファンのみんなと未来へ歌い継いでいくことも自分の役目だと思っています。

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メンバーとは会ったり、連絡をとったりしているのですか?

ファンキー加藤:とってますよ。この間は、事務所のスタッフの結婚式があって、そこにメンバーもいたんです。たまたま「リスタート」のTDが終わった次の日だったので、「新曲あるから、モンちゃん聴いてよ」って言って、聴いてもらったら、「すげーキャッチーでいいじゃん!」って言ってくれて、嬉しかったです(笑)。変な話ですけど、ただの友達に戻れたというか、2004年のグループ結成以前の仲に戻れたような気がしました。

充電期間中には、楽天の優勝をツイッターでつぶやいたことでも話題になりましたね。

ファンキー加藤:そんなこともありましたね(笑)。マー君の快進撃も感動しましたけど、充電期間中、一番大きかった出来事は、サザンオールスターズの日産スタジアムで行われたライブで、あのライブには救われましたね。すごくモヤモヤしていた時期だったので、音楽の素晴らしさっていうものを改めて再認識できたし、「これからは僕がそういう人に少しでも近づけるように頑張っていこう」っていう気持ちになりましたね。

これからは、俳優としても活動していくことが発表になりました。

ファンキー加藤:僕は、もともと演じることに興味があったんですよ。さかのぼれば、子どもの頃に劇団ひまわりのオーディションを受けて、第一次審査に受かったけど、第二次審査は学校行事で行けなかった。そういう背景もあって、ソロデビューするタイミングで、事務所から「まだ俳優とか演じることに興味ある?」って訊かれて、「あります」って答えて、俳優としても活動していく流れになったんです。まだ、何も決まってはいないですけど、外の世界で学べたことを本業の音楽に活かせたらいいですね。

それでは、最後に「歌ネット」を見ている人にメッセージをください。

ファンキー加藤:僕は、すごくモヤモヤしていた中学2年生の時に、THE BLUE HEARTSや尾崎豊さんから、生きる活力をもらったのが、音楽の原体験なんです。音楽はそういうものだと思っているので、今後も皆さんの背中を支えられるような歌を歌っていこうと思っているので、応援よろしくお願いします!