昨年、「トリセツ」がロングヒットを記録した西野カナ。そんな彼女が今年4月27日にリリースした新曲がまた注目を浴びております。2016年第1弾シングル「あなたの好きなところ」です!この曲は、『ビタミン炭酸MATCH』のCMソングとして起用され、発売前からSNS上で話題に。「トリセツ」が“私の取扱説明書”=“私のプロフィール”を綴った歌詞であったのに対し、今作で歌っているのは“あなたのプロフィール”のような内容。Mステで4月29日・5月13日と2度披露され、歌ネットでは連日、歌詞がデイリー&ウィークリーランキングの上位にランクイン!
 歌詞は、欧米で流行中の【トランプラブレター】から着想を得たもの。トランプ1枚1枚に相手の好きなところを書き込んで贈る『52 Reasons I love you』というラブレター文化です。西野カナの「あなたの好きなところ」にも実際に“52個”も彼の愛しい特徴が登場…!しかしこの曲、「自分も彼にトランプラブレターを作ってみた」という方もいるほど女性からは支持されているのに対し、男性からは「重い」「細かすぎて怖い」「好きなところ52個もゼッタイ無理」とドン引き系の意見が多数…。そういえば前作「トリセツ」に対するコメントも、男性からは否定的なものが多かったですよね。一体、それは何故なのでしょうか。
 男性アーティストの平井堅と、女性アーティストのYUKI、対照的なフレーズの楽曲ですよね。まず男性は、女性から『私のどこが好きなの?』という質問をされると、多くの方がうまく答えられず、とても困ってしまうそうなんです。彼女のことをちゃんと愛しているのに、好きなところを具体的に挙げられない理由…。
 それは、ご紹介した『異性』で語られているように<長編劇画>と<四コマ漫画>では、登場人物の描写の細かさ・背景の書き込み・セリフの量・何もかもが異なるから。つまり、たとえ起承転結の<結>=<好き>という結論は同じであっても、そのゴールにたどりつく方法や速度、その過程に対する記憶力や感情移入力が、女性と男性では違うということなんです。そしてその性質の違いは“ラブソング”にも現れているのではないでしょうか。
 歴代人気曲から、男女別に3曲ずつフレーズをピックアップしました。例が極端ですが、男性アーティストのラブソングは、彼女の言動や物語の背景を細かく描くより、普段はなかなか言葉にできない<好き>という“結論”を伝えることを最も大切にしている歌が多いのです。とくにサビにおいては、その傾向が強いように思われます。一方、女性アーティストのラブソングは、たとえサビであっても、“あの時”を回想してみたり、“あなたの好きなところ”を思い浮かべてみたり、いろいろ寄り道もします。そうして大前提の<好き>を具体的に描き、景色を“共有”させているようなイメージです。どちらが良い悪いではなく、ラブソングの歌詞にも男性と女性の“結論”と“共有”の指向の違いが現れているのがわかりますね…!
 歌ネットの【歴代人気曲】第1位に君臨している伝説の名曲です。彼らのラブソングは、想いの核<好き>に突き進むという点は男性的ですが、恋愛中の主人公が見ている景色の描き方=“寄り道の仕方”が非常に女性的なんです。そのため“女々しすぎる”と言われる歌詞が、多くの女性から支持されているのでしょう。『クリスマスソング』には<長くなるだけだからまとめるよ 君が好きだ>というフレーズもありますが、まとめなければこの主人公はいくらでも“君の好きなところ”を挙げられそうな気がしてきます…。そんなback numberは2016年5月25日にニューシングル「僕の名前を」をリリース!これまた男性脳と女性脳の“ハイブリッド”名ラブソングとなっておりますので、是非、歌詞をチェックしてみてください!