歌ネットで上半期もっとも歌詞が見られた楽曲は、back numberの「花束」(734,727回)。2011年にリリースされた2ndシングルのタイトル曲である同曲は、歌ネットの歴代人気曲の第3位にランクインしており、累計で280万回以上のアクセス数を獲得しているミリオンリリック。2011年の時点で曲別の年間アクセスランキング13位を記録していたが、2014年には3位まで上昇。そして今回、2015年の上半期では堂々の1位に君臨した。

 back numberは、2004年に結成され、2011年4月にメジャーデビューを果たした3ピースバンド。デビュー直前には、iTunesが選ぶ2011年最もブレイクが期待できる新人アーティスト“Japan Sound of 2011”にも選出された。その後、SNSを中心に爆発的な“拡散力”で彼らの魅力が若者たちに広まり、恋愛世代の10代〜20代から絶大な支持を集めている。今年リリースされたシングル「ヒロイン」、「SISTER」も、歌詞の先行公開と同時にアクセスが集中し、瞬く間に注目度ランキング1位となった。

 「花束」は、“back number”というバンドの知名度・人気度と共にリリースから4年という時を経た今もなお、ますます拡散され続けているのだ。付き合いはじめのカップルの本音が会話調で描かれているため、共感力もバツグン。Mステの「東大生が素晴らしいと思うJ-POPランキング」の上位4位ランクインしていたのも記憶に新しい。また、今年の4月には女性ファッションブランド『LITHIUM FEMME』とコラボレーションし、短編映画『花束 feat. LITHIUM FEMME』も制作された。さまざまな場所で“名曲”として認知され続けていることが、今回の結果に繋がったのであろう。

順位
曲名/アーティスト名
アクセス数
発売日
タイアップ
1
734,727
2011/6/22
番組
2
663,531
2014/11/19
ドラマ
3
570,197
2015/1/28
CM
4
551,515
2013/5/1
映画
5
535,025
2015/2/4
CM
6
531,962
2015/1/21
CM
7
484,603
2015/4/29
CM
8
456,167
2014/6/25
9
433,297
2015/2/18
番組/映画
10
432,396
2014/10/15
11
401,346
2015/4/22
CM
12
397,026
2015/3/18
ドラマ
13
325,795
2015/5/27
CM
14
303,769
2013/6/26
15
295,329
2015/4/8
CM
16
292,809
2012/8/8
17
287,357
2015/5/20
CM
18
277,486
2014/12/10
CM
19
272,821
2013/12/18
映画
20
266,318
2014/10/15
番組
21
255,847
2014/5/21
22
252,773
2015/1/14
CM
23
249,205
2008/5/28
ドラマ
24
240,552
2014/8/13
番組
25
239,918
2013/8/7
CM
26
234,461
2012/7/18
番組
27
233,498
2004/3/10
映画/ドラマ
28
232,737
2007/5/16
番組/CM
29
230,267
2012/3/7
番組
30
227,269
2014/10/22
映画

今回のランキングで注目したいポイントは3つ。まずは、三代目J Soul Brothersの躍進。彼らの楽曲は3位、8位、16位、18位にランクインしており、圧倒的な人気を得ていることがわかる。とくに、昨年レコ大にも輝いた「R.Y.U.S.E.I. 」は“ランニングマン”の振りがブームを巻き起こし、ネットでも大きな話題となった。2点目はクマムシの存在だ。もはや日本中の誰もが知っている“あったかいんだからぁ〜♪”は2月4日にCDが発売されてからも右肩上がりで歌詞が見られ続け、すぐにプラチナリリック(アクセス数25万回以上)として認定された。AKB48をはじめ多くの芸能人が同曲を歌い、一般ユーザーからも次々と動画がアップされたことが大流行のきっかけであろう。そして最後は、歌詞画・歌詞プリやカップル専用アプリの“動画投稿”に使いやすいラブソングの歌詞が人気であるという点。西野カナ、MACO、erica、らの人気が目立つ。以上の3点に共通しているのは、音楽+αが注目のきっかけになっているということだ。SNSがこれだけ普及された現代には“拡散”するための+αが必須と言えるのかもしれない。

2015年上半期の「No.1ヒットソング」は「花束」が首位となったが、さらに、アーティスト別の1位もback numberが獲得した。2014年の年間アーティスト別ランキングでは2位に輝いた彼ら。歌ネットに掲載されている全72曲のうち、過半数の47曲がアクセス数10万回以上の歴代人気曲として認定されている。今回の楽曲別ランキングTOP30にも、「ヒロイン」(6位)、「SISTER」(13位)、「高嶺の花子さん」(14位)、「わたがし」(26位)、「恋」(29位)がランクインしており、最新のリリースから過去の作品まで非常に幅広く歌詞が見られているのがわかる。彼らのファン層は若者が多く、男性にも女性にも愛されている。ミスチル、BUMP、RADWIMPSなど、歴代の“歌詞が良いバンド”のトップに躍り出た新世代アーティストと言えるだろう。
2014年の年間アーティスト別ランキングでは圏外だった“ゲスの極み乙女。”が、2015年上半期では29位に急上昇。彼らは、2012年にindigo la Endのボーカルでもある川谷絵音を中心に結成した4人組バンド。今回、楽曲ランキングの11位にランクインした「私以外私じゃないの」は、「コカ・コーラ」ネームボトルキャンペーンCMソングとして起用された。一度耳にすれば忘れない“私以外私じゃないの〜♪”という言葉のフレーズ力により大ヒット。その話題性の大きさから「しゃべくり007」にも出演し、その名をさらにお茶の間へ広めた。最新リリース曲の「ロマンスがありあまる」も公開直後から多くのアクセス数を獲得しており、ロマンスも中毒性もありあまる、今もっとも旬なバンドと言えるだろう。

「ロマンスがありあまる」
6月17日発売
“疾走感・ハイトーンボイス・アガるリズム感”フェスを盛り上げること間違いなしの3拍子が揃ったロックバンドがKANA-BOONだ。2012年にオーディションにて4,000組の応募者の中から優勝し、アジカンのオープニングアクトを務めたことで話題に。全国各地のフェスへ出演し、入場規制&満員御礼を記録する「ライブシーンの台風の目」となった。そんな彼らが今回、アーティスト別ランキングの25位に急上昇!ライブのみならず、CMのタイアップなどで楽曲の魅力がグングン広がっていったことが結果に繋がったのであろう。また、8月7日より全国公開されるアニメ映画「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」の主題歌が、彼らの新曲「ダイバー」に決定。勢い止まらぬKANA-BOONの活躍から目が離せない。

「なんでもねだり」
5月13日発売