昨年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒットは記憶に新しい。そのドラマに出演した小泉今日子が劇中役の天野春子名義で発売した「潮騒のメモリー」は、ドラマのサントラと共に大ヒットを記録した。さかのぼると、2000年には菅野美穂がドラマ「愛をください」のヒロイン・蓮井朱夏名義で発売した「ZOO 〜愛をください〜」も、50万枚を超えるヒットを記録したが、ドラマや映画に出演した役者が、劇中役のまま現実世界に飛び出す戦略もポピュラーなヒット戦略のひとつである。その戦略でブレイクしたアーティストが、大原櫻子である。
映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のヒロイン・小枝理子役のオーディション5,000名の中から抜擢され、一躍脚光を浴びた彼女は、劇中バンド「MUSH&Co.」のボーカリストとしてCDデビューすると、一躍ティーンの憧れの存在へとのしあがった。劇中歌「明日も」は、歌ネットでミリオンリリック(100万アクセス)を記録し、エンディングで使用された小枝理子&小笠原秋「ちっぽけな愛のうた」も50万アクセスを記録するなど、いまだにロングヒットしている。
その後、“大原櫻子(from MUSH&Co.)”としてCDをリリースし、ついに11月にはソロデビューを果たす彼女。キュートなビジュアルと圧倒的な歌唱力があることがここまでのしあがった要因であるが、ソロデビューの段階で、これほどまでに知名度と話題性のある新人は稀であり、これが役者の特権なのである。現在、「水球ヤンキース」で連ドラ初レギュラー出演を果たし、地上波音楽番組MCにも抜擢されるなど、着実にステップアップしている彼女。今後の飛躍が期待される。 |