謝肉祭

石崎ひゅーい

謝肉祭

作詞:石崎ひゅーい・須藤晃
作曲:石崎ひゅーい
編曲:須藤晃
発売日:2016/12/07
この曲の表示回数:15,895回

謝肉祭
盆と正月には帰ろう
年に二回は故郷(ふるさと)には
カズの葬式から遠くなった街へ
水島は盗んだバイクを
売りつけてからはもうずっと
電話もこないしかけることもない
国技館で入り待ちをして
力士にハッパをかけていた
偉そうに背中を叩いて
笑いながら「横綱になれよ」

みっともないのは承知で
あてもなく生きてる
人生には番付などありゃしない

水島が金を借りに来た
クリスマスイブの夜だった
駅前にあったスナックの話をした
あいつはそこのみゆきちゃんと
やっちまったと告白した
それから僕らはコンビニに走った
小さなケーキと缶ビールで
駐車場で乾杯をした
有り金を全部貸してやり
肩を抱いて『元気でいろよ』

あいつは良い奴だから
なんとかなればいい
友情には絶望が潜んでいる

小さな幸せ買うために
時給800と900の
間でプライド捨てながら働いた
なるべく遠くへ行きたいね
今度の休みに一緒にさ
バイト仲間のまりさんにねだられ
一番遠い場所なんて
あなたの心なんだよと
言いたかったけど言わなかった
ただおっぱいが触りたかった

こんなに胸が痛いのに
保険証持ってない
愛情には失望が棲みついてる

今日からは豊かな人生
ひとりぼっちでも人生
たった一言でキレて
たった二言で終わる
明日から悲しい人生
同じパンツはき続けて
洗濯したら泣けてきた
この世はまるで貧乏な謝肉祭

親父は中卒叩き上げ
小指は機械に食われちまい
甲斐性もないのに愛人作って
あっちだけはプロ並で
好きこそ物の上手なれ
パチンコ台に祈りを捧げていた
梅干しの種のピストルで
おどけた親父が好きだった
酔ってクダ巻いた口癖は
家族は俺の宝物だ

どんなに寂しがりやでも
クールにしている
人生には音楽が足りてない

初めてキリンを見たときに
母ちゃんの陰に隠れてた
帰りのアウトレットのトイレで吐いた
日の丸と君が代があれば
目頭が熱くなるよ
俺が好きなのは温かい味噌汁
100人の敵を薙ぎ倒し
ひとりの味方の喝采で
いつかは帰ってこいよイチロー
玄関で靴脱ぎ忘れんな

糖質制限してんなら
米はやめなきゃね
長生きするのにあと何をやめよう

今日からも静かな人生
ひとりぼっちだぜ人生
たった一滴のシミで
おニューのシャツが台無しさ
明日から楽しい人生
でもかさぶた剥がす勇気ない
ハズレ馬券と宝くじ
やけくそなにくそ奥歯が痛い

しょうがない しょうがない
どうにもこうにもしょうがない
あんたが作った焼きそばを
あんたは自分で食べなさい
結果がすべて結果オーライ
嘆いてる間に日が暮れる
皆さんの努力しだいです
すべてはあなたのやる気しだいです

筋書き通りすすんだら
筋書き通りさ
さよならだけがたった一つの真実

明日から生まれ変わるんだ
誰もが寝る前祈ってる
思っただけで変われるなら
世界中争いはないぞ
今日も優しさを集めて
悲しみを捨てて歩いてる
誠実はどこにあるのか
輝きは闇に光るんだ アーメン

ため息一つをぶら下げて
僕は路地裏を歩いてく
真っ白な雪を踏みつぶしながらさ
背中にギターを抱えて生きてゆく
サンタクロースがつけひげ忘れてる

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