　初めてこの曲を聴いたのは、高校生の頃でした。出だしの三線の音や沖縄音階の心地よいメロディに心を惹かれ、少ない小遣いをはたいてシングルを購入しました。
　
　当時は友だちとの会話に困らないような音楽を聴いていたけれど、この曲だけは安易に話題にする事が出来ませんでした。男女の別離をテーマにしたものとばかり思っていましたが、「このまま永久に夕凪を」という歌詞に触れ、この唄にはもっと深い意味が隠されている気がしていたからです。

　あれから10数年。沖縄の音楽や、歴史についての本に触れ、現地にも何度か足を運びました。10代の時、CDが磨り減るくらいに聴いた島唄の歌詞に秘められた意味をまったく知らなかったことに、打ちのめされました。
　
　嵐とは、60数年前の4月を意味すること。千代に、八千代に、と言う言葉がおそらくは「君が代」の歌詞からとられていて、「君が代」にたいする皮肉が込められていること。「このまま永久に夕凪を」こそが、海をわたって、届けてほしかった沖縄の想いであること。

　沖縄在住の方のなかには（著名人もそうでない方も）批判の声もあります。60数年前の出来事を体験されている方の立場で言えば、「内地の人間に安易に歌ってほしくない」と思われるのはやむをえないと思います。
　
　それでも、この曲は、20代の宮沢氏が沖縄を見て感じたことやおさえ切れない想いが、これ以上ないほど素直にメロディーにのっかっています。
　
　サザンオールスターズの「平和の琉歌」が、長い年月をかけて熟成された（桑田氏の）言語感覚のたまものであるのにたいして、「島唄」は、若者の等身大の感性そのもの。その純粋さ、ストレートさ故に、多くの人の胸を打ち、今日に至るまで評価され続けているのだと思います。

　風に乗り、鳥と共に海をわたった島唄。
　愛と涙も、届いたでしょうか・・・。ぼくたちの心に。

　

　

　

　
　

　

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燕島チトセ

原点回帰

2005年6月1日に日本でレビュー済み

THE BOOMの築き上げたジャンルというものは、日本民謡とROCKの融合。
と、私は勝手に思っている。「島唄」はその最たるもの。
初めて聞いたときはびっくりした。最初は沖縄民謡だと思って聞いみたら曲調は思いっきしROCK。だから惹かれた。「ジャパネスカ」というアルバム辺りから、この融合ROCKは炸裂している。
高校の頃、休み時間にウォークマンを耳に付けっぱなしでこの「島唄」に逃避していた。
“ウージの森であなたと出会い　ウージの下で千代にさよなら　ウージの森で唄った友よ　ウージの下で八千代の別れ”
このフレーズは、いずれ卒業して仲間と別れることを連想させられ一人で感傷に浸っていた覚えがある。
しかし「島唄」は、この詞の願い通りに海を渡った。“このまま永久に夕凪を”という、たった一人の青年が思い描いたのはたぶん平和。その原点であるこのオリジナルバージョンの「島唄」が私は一番好きです。

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島唄

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