流星

本当はこのまま ずっとこのままで
時間が止まってしまえばいいのに
そしたら僕らは もう何も壊さずに
もう何一つ汚さずにいれるのに

手にしたものより もっと失ったものが
絶望する程たくさんあるよな
マリア この街じゃあ例え誰かが死んでも
ほんの少し電車が遅れるだけ

今ちょうど故郷の空に手紙を書いているところさ
『初恋のあの人が知らない誰かと結ばれるけれど
どうかお願い 式の当日には雨を降らせないでほしい』

いつかはそれぞれ 別々の命
旅立って行く「さらば さらば」って言いながら
僕ら喜びを唄に変えるのは あまりに哀し過ぎる誰かのためさ
この世界に 一粒の種を

言葉は轍さ その生き抜いた日々の
「生まれてきたのは間違いじゃない」と言ってよ
「誰かが遺したその最後の言葉が
誰かの未来を変える」と言ってよ

『まだこの街のことを好きでも嫌いでもないけど
冬の日の夜空から舞い降りてくる白い雪は
息を呑む程に 綺麗で儚くて
いつの日かあの島の上にも 降らせてほしい』

誰もがそれぞれ別々の命
旅立って行く「さらば さらば」って言いながら
僕ら喜びを唄に変えるのは 届くことのなかった祈りのためさ
この世界に 一粒の種を

本当はこのまま ずっとこのままで
アナタの隣に居たいけど
思い出は今日もまたひとつ歳をとる
さらば またいつか
もう行くよ
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