冬のかげろう

細めにあけた 障子の窓から
月の光が 忍び込む
裸の肩に あなたが触れれば
はげしく闇に すだく虫の声
夜に生まれて 朝には消える
あゝ わたし わたし 冬のかげろう

あなたの胸に 微睡(まどろ)みながら
そっとくちづけ かわしあう
一つの部屋で あなたに寄り添い
住むのはやはり 無理な夢ですか
夜に生まれて 朝には消える
あゝ わたし わたし 冬のかげろう

ベッドの中に 寂しさ閉じこめ
温(ぬく)めあっても 来る別れ
あなたの愛の 炎にやかれて
このまま死ねたら あなただけのもの
夜に生まれて 朝には消える
あゝ わたし わたし 冬のかげろう
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