エーテル

音の無い森
だから聴こえる
ざわめく粒子
それはエーテル

吸い込まれ逆さまに
落ちてゆく瞬間の
恐怖と快感

堕天使が自らに
落ちた空 その色を
しなる背筋は見るだろう

あなたを抱き寄せて
奥深くへ突き放すの
この腕を探した
叫び声が途切れるまで

花弁が小部屋に散り
その度 月夜は揺れた

この温もりも
その情熱も
かすれてしまう
それに脅えて

御話の終末を
身勝手に書き換えて
愚かな神を消し去る

あたしが欲しいのは
爛れるまで焼ける温度
その皮膚を奪って
焦がしながら愛し合うの

あなたを抱き寄せて
奥深くへ突き放すの

あたしが欲しいのは
爛れるまで焼ける温度
その皮膚を奪って
縺れながら愛し合うの

花弁が小部屋に散り
その度 月夜は揺れた
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