湯の里しぐれ

小雨に滲(にじ)んだ 湯煙りが
おまえの姿 うつしだす
流れ水面(みなも)の あのせせらぎは
泣いてこの俺 呼ぶ声か
ひとり肥前路(ひぜんじ) 湯の里しぐれ

おまえのそばだけ 幸せが
避(よ)けてるような 薄い肩
たった一言 どこへも行(ゆ)くな
言えばよかった あの時に
悔(くや)む心に 湯の里しぐれ

湯の町銀座の 縄のれん
ひとしお沁(し)みる コップ酒
躰(からだ)壊して いないだろうか
せめて届けよ 風便り
明日(あす)も降るのか 湯の里しぐれ
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