ドライブ

腰の曲がったおばあちゃんを さっき僕らは轢き逃げした
「どうしよう」「捕まりたくないな」「捕まる訳無いじゃないの」
「逃げよう」 あの娘はそう言った 僕は小さく頷いた
それからひたすら走った 僕らは何処へ行くのだろう?

小さな旅館で一泊することにした
なんだかとっても素敵な夜だった

何が正しくて何が悪いなんて
誰もそんな事教えてくれなかった
誰も悪くない 解っていたんだ
生まれた時から僕は悪魔だった

次の日 三人の男が僕らの前に現れた
あの娘は車に乗せられた 眼鏡男が何か言ってる

これからずっと あの娘に会えないのかな?
離れていても 好きでいてくれるかな?

独りでいるのも結構落ち着く
割とみなさん、いい人たちだよ
こんな息子でごめんなさいママ
心配しないで僕は元気だから

何が正しくて何が悪いなんて
誰もそんな事教えてくれなかった
誰も悪くない 解っていたんだ
生まれた時から僕は悪魔だった
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