東京の椿姫

窓うつ風の ためいきか
更けてネオンの 点る街
その名は 知らない
いつか寂しく 浮ぶ顔
あゝ思い出の 胸にすむ
東京の椿姫

嘆きの酒に 酔いしれて
なにも云わずに 泣いていた
その名は 知らない
夢にしみこむ 古い傷
あゝさすらいの 君いずこ
東京の椿姫

夜霧の街に つつまれて
暗いさだめの 果てを行く
その名は 知らない
呼ぶな彼方の 白い星
あゝ胸に咲き 胸に散る
東京の椿姫
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