ガラスの草原

陽炎(かげろう)の線路に耳あてた
少年のあなたが振り返える

街角のプラタナスを染めてく風が
故郷の草原からたどり着く頃

あなたの写真に触れた指先が
想い出にそっとあたたまる

何も言えなくてうなずいたあの日
青春さえ時間は連れ去る

夏草の輝き思う時
あなたが遠くからささやくの

未来から届く青い手紙のように
優しさで私のこと導いてくの

あなたは私の心の勇気よ
夢を生きること教えたね

明日にはぐれた涙の破片(かけら)を
手を差しのべ笑顔で
希望に変えるひと…

何より素敵な贈り物なのね
遠くを見つめる眼差しが

あなたがその夢あきらめることは
淋しさよりつらいな… 私は

草原がいつか雪に隠れても
真夏の輝き消えないわ

あなたが描いたまぶしい未来が
瞳(め)を閉じると心に映るの…
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