京の送り火

死ぬも生きるもあなたとふたり
愛を結んだきぬぎぬの
別れ惜(お)しんで頬沿(つた)い
涙が流れて止まらない
鴨川抜けりゃ路地の提灯(あか)りが
消えて消えて淋しい雲母坂(きららざか)
聞こえますかわたしの叫び
寂しく微笑むわたしの顔が
聞こえますかわたしの叫び
忘れることなど出来はしないわ
昨夜のくちづけを

今宵はあなた何処をさ迷い
口紅染める肌の下
眠りつけずに部屋を出て
あなたを探して木屋町へ
夜空を焦がす送り火のように
わたしわたし情念(おもい)が滾(たぎ)ります
聞こえますかわたしの声が
あなたを呼んでるわたしの声が
聞こえますかわたしの声が
命の炎が燃えつきるまで
貫(つらぬ)く恋心(こいごころ)

聞こえますかわたしの叫び
寂しく微笑むわたしの顔が
聞こえますかわたしの叫び
忘れることなど出来はしないわ
昨夜のくちづけを
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