熊野古道

離れるほどに 恋しさつのる
心はなんて あまのじゃく
列車を何度か 乗り継いで
熊野古道を ひとり旅
切れぬ未練に 振り向けば
足を取られる 木の根道

女は愛に 欲ばりだから
重荷になって いたみたい
ないものねだりの 悪いくせ
熊野古道は 石畳
消したつもりの 面影が
杉の木立に 見え隠れ

涙の川を 何度か渡り
女は強く なると言う
つまずきながらも また一歩
熊野古道を 峠越え
歩き通した その時が
きっと私の ひとり立ち
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