一剣

川の水面(みなも)に 揺れる月
一刀両断(いっとうりょうだん) 影を斬る
心騒がず 波立てず
躱(かわ)す 突(つ)く 撃(う)つ 払(はら)う
剣に男は…
剣にひとすじ 夢を追う

“心正しからざれば、剣また正しからず…”

敵は己(おのれ)の 内(うち)にあり
柳暗花明(りゅうあんかめい)の 現世(うつしよ)も
春に背(そむ)いて 野に伏(ふ)して
押せば引け 引けば押せ
剣に男は…
剣に命の 華を見る

風の涙と 草の露
行雲流水(こううんりゅうすい) 成るがまま
襟(えり)を正して 瞼(め)を閉じて
間髪(かんぱつ)の この気合
剣に男は…
剣に明日(あした)の 道を知る
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