Orange

広い空の片隅で
生まれ変わる街の色を見ていた
君の声は聞こえない
僕らはもう大人に成り過ぎた

誰のための鐘の音か
帰り掛けてふと立ち止まる

暗い闇に怯えて
いつからか遠回りをして来た
穏やかに舞う風が
街の木々と僕の心揺らした

いつの日にかまた会えるさ
笑顔で君にただ手を振る

時計の針を回して昨日に戻れるなら
迷い続ける僕に何を今告げるだろう
そんな終わりない問いを繰り返して
眠る オレンジ色の太陽

少し冷たい僕の手
誰のでもない魂を宿して
依然高ぶるこの胸
伝えきれない言葉達を隠して

ここから先の何処かへ
今夜旅立つ船に乗る

時計の針は優しく時を刻み続ける
鳴り止むことない僕の鼓動を重ねて ほら
数え切れない希望が僕を埋めていくなら
無数にあるこの穴も愛しく思えるだろう
そんな幼(いとけな)い季節を通り過ぎて
眠る オレンジ色の太陽
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