あとかたもなく

いま絡めあった 指と指が確かなら
もう指輪なんか くれなくてもかまわない
恋は形じゃなく 言葉で欲しいの
待つことさえ ときめきににじんで

あなたへ流れる 思いが苦しくて
光に体も心も 溶け出して
そうよ あとかたもなく
目も眩む 湖へあなた

夜一人だけの 時間を編む日々が過ぎ
ベル鳴らないまま 白い電話冷えてゆく
次の約束も どこかにはぐれて
あなたの声 夢越しに聴くだけ

寄り添う黒髪 一筋残さずに
抱かれた夜明けの 移り香残さずに
そうよ あとかたもなく
わたし 消えたとしたらあなた

死んでしまうほど 命断ちたいほど
あなた困らせたくて わがままを

あなたへ流れる 思いが苦しくて
光に体も心も 溶け出して
そうよ あとかたもなく
目も眩む 湖へあなた
×