#302

「カラオケしたいな」と君が突然言い出す 街は夜をはじめたばかり
面倒臭そうな顔をつくってみたけど 本当は凄く嬉しかった

人混みかき分け公園通り抜ければ やたら派手な電飾のBOX
ぶっきらぼうな声で部屋番号告げられ 二人きりで部屋に入る

僕が歌うラブソング 真面目に聴いてる
淋しげな横顔 忘れられぬ思い出重ねて こぼれそうだよ

ずるくてもいい 代わりでもいい
君の淋しさの一番近くにいたい
いつか僕を いつか僕を
ホントに好きになるその時まで そばにいるよ

君が歌の途中で突然泣き出して 僕は何も言えなくて
取り残された伴奏と泣き声だけが 狭い部屋に響いてた

「ゴメン」と言う君の 震える肩を抱き
防犯カメラに背を向け 濡れた頬を指で拭って そっとキスをした

ずるくてもいい 代わりでもいい
君の悲しみの一番近くにいたい
いつか僕が きっと僕が
彼を忘れさせる その時まで そばにいるよ

ずるくてもいい 代わりでもいい
君の淋しさの一番近くにいたい
いつか僕を いつか僕を
ホントに好きになるその時まで そばにいるよ

ずるくてもいい 代わりでもいい
君の悲しみの一番近くにいたい
いつか君が いつか君が
ホントに笑える時が来るまで そばにいるよ
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