里の恋唄

ねぐらへ急ぐ 山鳥たちが
茜の空へ 消えて行く
あなたを待って 一日暮れた
里はもうじき 灯りを点す
ねんねんころころ 泣かずに眠れ‥
想い出枕に 夢を見る
心に聞かせる 子守唄

空行く雲に 覗いた月よ
運んでおくれ 風便り

愛したことを 生活(くら)した日々を

今も忘れず 戻ってくれる
ねんねんころころ ひとりで眠れ‥
いいことばかりを あつめては
かなしみまぎらす かぞえ唄

あの山越えて 身を切る風が
厳しい冬を 連れて来る
あなたを待って 今年も暮れる
里はもうじき 根雪の季節
ねんねんころころ 目覚めて泣くな‥
恋しさ辛さも 雪の中
忍んで春待つ ひとり唄
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