故郷厳冬

空が哭(な)く 渦を巻く

胸を揺さぶる 雪あらし
凍る窓から しんしんと
忍ぶ夜風の 冷たさに
耐えて半年 春を待つ
故郷厳冬 雪の中

いつ果てる 白い闇
覆い尽くして 里に降る
ともす灯りも 埋もれて
戻るお人が 迷わぬか
道標(しるべ)隠して 深々(ふかぶか)と
故郷厳冬 雪ごもり

びしびしと 生木(き)が裂ける
音が聞こえる そんな夜は
肌を合わせて 眠りたい
灯り消しても 赤々と
暖をとる火が 燃え上がる
故郷厳冬 雪あかり
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