十三夜月

女は誰でも 胸の中
忘れぬ 人がいる
窓辺にさしこむ 月影に
なおさら 恋しさつのる
淋しさが肩を抱く 独りの止まり木で
飲むほど未練が グラスに揺れる
見上げる夜空に 面影重ねる
十三夜月(じゅうさんや)

焦がれる女の やわ肌を
その手で 抱きしめて
逢いたさ暴れる こんな夜は
帯さえ はじけてしまう
くれなゐの月の船 あの人連れて来て
宿命(さだめ)にそむけば 罪なのですか
見上げる夜空に 面影重ねる
十三夜月

女は誰でも 菩薩だよ
どれほど 泣いたって
恨んだ男の いいところ
数えて 許してしまう
痛いほど指を噛み この身は燃え上がる
こぼれたお酒で 占う明日
見上げる夜空に 面影重ねる
十三夜月
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