夕月おけさ

波のしぶきか 淡雪か
こころ細さを また運ぶ
女ひとりの さすらい空に
家路をたどる つがい鳥…
思い出さぬと 別れたが
おもいきれない 夕月おけさ

忘れたいのに この地酒
酔えば面影 なお浮かぶ
女なに泣く 沖ゆく船の
漁り火しみて しのび泣く…
やまぬ潮鳴り 誰を呼ぶ
みれんせつない 夕月おけさ

今度生まれて 来るときは
鳥になりたや あの人と
女いのち火 まっ赤に燃やし
一生一度 恋ひとつ…
誓う心に 嘘はない
ひと目逢いたい 夕月おけさ
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