南部恋うた

南部生まれの 地酒(さけ)がいい
こころ酔わせる 恋唄(うた)もいい
何も言わずに あの娘(こ)が泣いた
肩もふれ合う 傘の中
たった一言 たった一言好きだよと
言えば泣かずに すんだのに
思い重ねて 飲む酒は
やけにしみるよ 痛いほど

南部しぐれが 降るもいい
みれん流せりゃ それもいい
なみだ滲(まじ)りの あの娘(こ)の顔が
なぜかしみじみ 浮かぶ夜
あれが恋だと あれが恋だと思うほど
胸中(むね)の痛みは なおさらに
酔って注ぎたす 恋なごり
惚れたあの娘(こ)の 郷(くに)なまり

誰に聞かそか 誰に聞かそか語ろうか
親父唄った 牛追い唄を
明日は帰ろか あの町へ
南部恋しや 懐かしや
南部恋しや 懐かしや
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