境界線

ついさっき迷い込んだ壁がないこの迷路。
誰かに追われてるのか、誰かを追っているのか。
その答えを知ったら消えてしまいそうな気がして。

「逃げろ、逃げろ、逃げろ。焦る、焦る、焦る。」
「逃ゲロ、逃ゲロ、逃ゲロ。焦ル、焦ル、焦ル。」
焦ってしまう。

僕に良く似た少年が向こう側に立っていた。
君はずっと前からここに居たのだろうか?
ついさっき迷い込んだような気がしたこの迷路。
もしやずっと前からここに居たのか?

「変わる、変わる、変わる。違う、違う、違う。
変ワル、変ワル、変ワル。違ウ、違ウ、違ウ?」

全てここで始まり、全てがここで終わる。
つまり過去と未来の境界線など無いのだった。
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