プラチナ

イヤリングだけを変えて急ぎ足で来た
あなた先に約束の店で待ってた
ねぇ 食事のあとで
近くの公園まで歩いたけど
なんだかぎこちなくて

あのとき特別な一日になると思った
小さな噴水に腰かけ
跳ねる水の音 聞いた
付き合いはじめみたいに

映画だってずっとひとりきりで観た
仕事だけのそんな横顔をうらんだ
もう 恋の終わりの合図と
友達からおどかされて
本気で気になってた

あの夜 特別な一日になると思った
言葉に詰まるたび何度も
深く深呼吸したね
あんな顔はじめて見た

平凡すぎて
笑われるかな
きみをいつまでも
守りたい そう言ったね

ねぇ 不思議な夜

あのとき特別な一日になると思った
あなたがポケットに
隠してたちいさなリング
空にはプラチナの満月
もっと眩しい何かを
あなたがくれた気がする
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