母きずな

今なら云える あの頃を
苦労話も 泣かないで
明日の見えない その日の暮らし
貧しさ憎んで したケンカ
泣いていたでしょ 布団の中で
声を殺して 母きずな

この町捨てて 逃げようと
何度聞いたか 云ったやら
夢は人ごと しあわせさえも
言葉に出すのも 辛かった
日がな一日 働きづくめ
我慢我慢の 母きずな

ごらんよあれを あの空を
星を見つめて 指を差す
やっと気付いた このしあわせに
なんにもない このしあわせに
楽な暮らしじゃ なかったけれど
生きてよかった 母きずな
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