ミタテ

風で花びらが散って
掃除が大変だよ
でも何度見ても桜は
本当に綺麗だねと
おじさんがホウキ掃く手を
止めて話しかけてきた
そうですねと上を見上げ
僕も笑顔で答えた

気難しそうと思われてたけど
今じゃ沢山の笑顔や言葉を
かけてもらえるようになったよ
今度花見にも誘われてんだよ

君がいなくなってから
何度目かの春
今も君の見立ててくれた
心と僕は歩く
自分がいなくなっても
愛されるようにと
君が見立ててくれた
この心と歩いてる

服や靴や眼鏡や
髪型とかじゃなくて
君が見立ててくれたのは
僕の心だった
歯に衣着せぬ物言いで
ずけずけと言う君に
むかついたりもしたけど
試す度意味がわかった

ふざけて頬を横に引っ張り
ほら笑ってとよく君に言われたよね
笑顔を忘れそうな時はいつも
自分で同じ事をしてるよ

君がいなくなってから
何度目かの春
今も君の見立ててくれた
心と僕は歩く
自分がいなくなっても
愛されるようにと
君が見立ててくれた
この心と歩いてる

幼すぎて自分から
手放した恋だった
花曇りの空の下
君の幸せをただひたすらに願う

君がいなくなってから
何度目かの春
今も君の見立ててくれた
心と僕は歩く
君の背中を見送った
あの時と同じように
花吹雪が舞う
この並木道を歩いてる

君が見立ててくれた
この心と歩いてる
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