海宿

如月(きさらぎ)の旅路は 骨まで寒い
それより心は まだ寒く
二階の窓から いか釣り船を
ながめる瞳が 凍ります
後ろ指から 逃げてきた
わたしは生気地(いくじ) なしですか
なみだが なみだが 雪になる
ここは北国 ひとり海宿

愛し合う加減が おんなは下手で
ましてや運命(さだめ)の ある恋は
書いてはちぎった 手紙を飛ばし
かもめのようだと 遊んでる
だけど心は 泣きじゃくり
あなたの姿 追うばかり
未練が 未練が 雪になる
ここは北国 ひとり海宿

好きなあなたを 捨ててきた
わたしは愚か者ですか
なみだが なみだが 雪になる
ここは北国 ひとり海宿
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