モスクワの夜

色のずれてる絵葉書に
名前書いて握りつぶした
言葉にすると愚痴になる
それってとてもかっこ悪くて

熱い紅茶に赤いジャム
窓の外は凍てついた河
光の帯に浮かぶのは
氷で出来た君のまぼろし

モスクワの夜 人気ない
赤の広場横切った
ああ モスクワの夜 寒すぎて
哀しみさえ麻痺してる

冷たい人ね そう言って
君はぼくを遠ざけたけど
人の肌ほど暖かく
恋しいものはないと知ったよ

モスクワの夜 涙さえ
頬の上で凍り付く
ああ モスクワの夜 一人きり
零下の国の異邦人

失くした愛の大きさを
広い空が教えてくれた
明日はパリへ発つ汽車で
雪の原野を眺めるだろう

モスクワの夜 人気ない
赤の広場横切った
ああ モスクワの夜 寒すぎて
哀しみさえ麻痺してる

モスクワの夜 涙さえ
頬の上で凍り付く
ああ モスクワの夜 一人きり
零下の国の異邦人
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