ハミングバード

早朝、ラッシュアワーのKOライン
彼女はサラサラの髪を結んで
走り出す改札がスタートラインで
寝ぼけた都会へ踏み出していった

『大嫌い。この街も、人も、自分も。』
街を出た。5年前の夏の話。
出かけよう ハートが壊れそうな夜に
歩きだす大好きなうたを歌って
『いつかは、世界を抱き締めながら上手に笑えたらいいな。』って言った

大人達に手渡された地図や、言葉、モラルじゃ止めてくれない涙の訳を
君はハートのドアを開いて覗いてみる。深く。深く。

彼女は『変わろう』って思ったその時
“変わらない弱さ”を許せる気がした。

動き出す人が行き交う交差点で
彼女は鮮やかにステップ決めた
あの日と変わらない希望を歌って
ゆっくり世界を抱きしめた時
彼女はあの日より大人になった
歩きだす今日もスタートラインに立って
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