淡雪の橋

紙縒(こより)で作った 指輪だけれど
女にゃうれしい くすり指
雪よ降れ降れ 帰れぬほどに……
明日(あす)は二人じゃ 渡れない
宿の前には 淡雪の橋

付けてはいけない 貴方のために
口紅拭(ふ)き取る 宿鏡(やどかがみ)
雪よ降れ降れ 列車も止まれ……
朝が来たなら しあわせも
解(と)けて消えてく 淡雪の橋

形見に残して 置きたいけれど
移り香流した 夜明け風呂
雪よ降れ降れ 渡れぬように……
胸の想いは届かずに
いつか止んでる 淡雪の橋
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