霞道

ひとつずつ 名前忘れて
ひとつずつ さよならして
昨日、までは千切り絵みたい

あなたを忘れたくない

少しずつ 子どもに戻り
少しずつ あなたに戻り
霞道のカーブを六つ、抜けて
家までの途中
あっちぶつかりこっちぶつかり
困らせたけれど
迷子にはならないわ なぜでも
ありがと ありがと 私はどこに流れてくの
おやすみ おやすみ まだ見たいものがあるのでしょう

ひとつずつ 思い出にして
ひとつずつ 万年青に変えて
今は亡き人の面影
あなたに重ねてしまう
三角屋根の向こう側、では
かかしが通せんぼ
生きるのにむつかしい季節よ
ありがと ありがと あなたはどこで待っているの
おやすみ おやすみ まだ見たいものがあるのでしょう
さよなら さよなら あの日の少年の瞳よ
ありがと ありがと まだ見せたいものがあるけど
ありがと ありがと 今、あなたは私のおうち
あなたが私のおうち
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