修善寺の宿

伊豆は湯の里 湯けむりに
人眼をしのんだ 恋の道
あなたに一夜(ひとよ) 身をまかせ
千夜泣いても いいのです
情けください… 修善寺の宿

あれは竹林(ちくりん) 笹の音
湯あがり浴衣で 酌をする
窓から覗(み)てる 眉月が
罪なおんなの 胸を刺す
離したくない… 修善寺の宿

墨絵ぼかしの 山の端(は)に
夜明けが白々 しのび寄る
愛しい男性(ひと)の 移り香を
ひとり湯舟で 流す朝
夢は束の間… 修善寺の宿
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