蟲の声

音吐朗々 -

声に導かれ 蟲は飛んだ
月に向かい 蟲は飛んだ

身体に光が絡み付き
蟲はヒトの姿となった

蒼い夜空と赤い血の瞳

それは、森の匂いを、土の冷たさを、
風の音を、陽の暖かさを、

そう、初めて、世界を見る

そして蟲は一人の少年と出会う
碧い海と鳶色の大地の瞳

蟲と“白の少年”との出会い

この出会いは、何を生み、
何を壊し、何を遺すのか

今、旅は、始まろうとしていた
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